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» 2015年03月06日 06時00分 UPDATE

専門医に聞く舌下免疫療法(1)それは、スギ花粉症の根本的治療法

新しい花粉症の根本治療として注目を集める「舌下免疫療法」について、アレルギー専門医である「ながくら耳鼻咽喉科アレルギークリニック」の永倉仁史院長にお話を伺いました。4回に分けてご紹介します。

[ことばや/伊藤佳代子,ITmedia]
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 今や「国民病」とも呼ばれる花粉症の季節がやってきました。しかも残念なことに、今年は花粉の量が非常に多いとの予報が……。この憂うつなシーズンをどう乗り切ろうかと頭を悩ませている人も多いことでしょう。

 そんな悩めるあなたに朗報です。スギ花粉症を“根本”から治療する「舌下免疫療法」が今、注目を集めています。どんな治療法なのか。これまでと何が違うのか。危険性はないのか。本当に効くのかなどなど、新しい治療法への素朴な疑問を、ながくら耳鼻咽喉科アレルギークリニックの院長であり、書籍『スギ花粉症は舌下免疫療法(SLIT)でよくなる!』の著者でもある永倉仁史氏にお聞きしました。

アレルギーを起こす“免疫”に働きかける

――舌下免疫療法というのは、どういった治療法ですか?

ts_nagakura.jpg ながくら耳鼻咽喉科アレルギークリニック 永倉仁史院長

永倉先生:アレルギーの原因物質、この場合はスギ花粉ですね。それを少しずつ身体に入れながら慣らしていき、アレルギー反応を起こさせないようにする、いわゆる免疫療法というものです。

――アレルギーの原因を身体に入れたら、アレルギー症状を起こしてしまうと思うんですが……?

永倉先生:ではまず、どうして花粉症が起こるのか、からご説明しましょう。人間の身体には“免疫”があります。体内に入り込んだ外敵や異物を排除するために“抗体”という武器で戦い、健康を守るシステムです。ところが、外敵を排除しようとするあまり“過剰防衛”になってしまうと、自分の身体にダメージを与えてしまうことがあります。これが“アレルギー反応”と呼ばれるものです。体内の花粉を排除しようと、免疫は次々と抗体を作って対応します。その際、くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、のどの痛みなどが引き起こされるのです。

――とすれば、外敵であるスギ花粉を体内に入れるのは逆効果になりませんか?

永倉先生:免疫療法は、アレルギーの原因物質に対し、免疫が過剰防衛しないよう慣らしていく治療法です。少しずつスギ花粉を体内に入れることで、アレルギー反応を起こさないよう免疫システムを変えていくわけです。

免疫治療は、根本治療!

――免疫のシステムが変われば、もう花粉症に悩まされないということですか?

永倉先生:そこが免疫治療の最大のメリットです。アレルギー症状を根本から治療するので、これまでの治療が効かなかった人や、症状の重い人、眠気などの副作用で薬を使えなかった人、そして何より、長く花粉症と付き合わなくてはならない若い世代の人にお勧めしたいですね。

<舌下免疫療法とこれまでの治療法の違いについて、次回、さらに詳しくお話を伺います>

永倉仁史(ながくら・ひとし)

ながくら耳鼻咽喉科アレルギークリニック 院長

昭和57年、東京慈恵会医科大学卒。

昭和60年、東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科アレルギー外来担当となり、鼻アレルギーの治療及び、減感作療法を専門とする。その後、環境省の「アレルギー性疾患増加の原因の究明に関する研究」や、文部科学省委託「スギ花粉症克服に向けた総合的研究」に参加。アレルギー専門医としての実績と経験を積んだ。平成18年、ながくら耳鼻咽喉科アレルギークリニックを開院、院長となる。

日本耳鼻咽喉科学会認定専門医/日本アレルギー学会認定「アレルギー専門医」・代議員/花粉情報協会理事


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