「カロリー量だけを見る時代は終わりました」 食のプロ・タニタが語る“ごほうびビール”との付き合い方燃え尽きランナー救済計画

タニタの食のプロに「やせるメカニズム」や「健康的に続けられる食事のコツ」を伺った今回。後編では「ごほうび」について、意外なお話が飛び出しました。

» 2015年04月17日 06時00分 公開
[杉本吏ITmedia]

 ランニングを始めたは良いものの、結局続けられず挫折してしまう――そんな“燃え尽きランナー”にならないためのコツを、女優の高山都(たかやま・みやこ)さんと一緒に検証していく本連載「燃え尽きランナー救済計画」。

 身体がやせるためのメカニズムから、やせやすい食べ方までを伺った前回。続いて今回は、ランナーのモチベーション維持に欠かせないごほうび、特に「ごほうびビール」との付き合い方について伺った。キーワードは「我慢のしどころを間違えない」だ。

左から、タニタで社員食堂を担当している管理栄養士の荻野菜々子さん、開発部の小澤智子さん、女優の高山都さん

飲み会のシメは「我慢しない」「カロリー量を見るだけではダメ」

小澤さん:先程の「ランニングも食事もほどほどに」っていうのは、我慢のしどころを間違えないとも言えるかもしれません。例えば、飲み会のシメは食べてくださいとアドバイスしています。

高山さん:え!? いいんですか?

小澤さん:あとあと食べたくなって、ラーメン屋さんやコンビニに寄り道してしまうよりも、その時に食べた方がいいです。帰った後に食べたくなるから、だったらそこでシメを食べてください。どうしても身体が糖質を要求しちゃいますから。

――確かに。飲み会の帰り道、狙い撃ちされているんじゃないかと思うくらい、絶妙な場所にコンビニがありますよね(笑)。

タニタ開発部の小澤さん

小澤さん:シメを食べてないからといって、代わりにデザートを食べてしまうとしますよね。デザートには、脂質も含まれているので、同じカロリーでも中身の質がまったく異なります。皆さん、カロリーを表面上の箱の大きさだけを見て、中身を見てないんですね。

 例えば、ランナーの方で体脂肪率が下がらないという方のお話を聞くと、デニッシュなどのパンを重ね食べしているのです。カロリー量だけを見る時代は、もう終わりました。カロリーはタンパク質と脂質と炭水化物(糖質)でできているのですが、何から摂るかが重要です。カロリー計算しているのにやせないという方は、たいてい脂質や炭水化物(糖質)から多く摂っている方が多いのです。

――そういえば、高山さんのインスタグラム、走っている写真と同じくらい、飲んでいる写真も多いですよね。

高山さん:そうなんです(笑)。おいしく飲むために走るみたいな日があってもいいと思っています。食べた分、飲んだ分、走るってことにすると、食べたことに対する罪悪感がなくなるので、心に健康的です。ランの継続にはごほうびも大事です。

女優の高山都さん

――ごほうびビールは欠かせない、でもやせたい。そんなわがままなランナーに、飲み会の中で工夫できることを教えてもらえませんか。

小澤さん:荻野は、赤ちょうちんレシピの女です。

荻野さん:いえいえ(笑)。2冊目のレシピ本に、赤ちょうちんレシピとして、副菜をいくつか載せたんですよ。脂質が少なかったり、野菜が摂れたりするメニューを入れています。一杯目のビールなどは断りづらいと思うので、食事でうまく調整をしていただけるといいですね。揚げ物を頼んだら、野菜のものを1品頼む。その点ではコースはバランスが取れていることが多いですし、出てくる順番も、先程の順番になっていることが多いです。

高山さん:あーなるほど。

小澤さん:ただ、サラダを食べるときに注意していただきたいのが、ドレッシングです。ドレッシングを大量にかける方が多いじゃないですか。ドレッシングは脂質が多かったり、ノンオイルでも塩分は多く含まれたりするものも多いので、かけすぎは要注意ですね。

荻野さん:ドレッシングは、タニタ食堂では気に掛けているポイントのひとつです。コクのあるドレッシングは塩分が少ないのですが、カロリーは高くなります。一方で、ノンオイルはノンオイルで、バッと量をかけがちなので、比例して塩分が多くなってしまいます。

――コースですと鍋も多いですが、鍋も食べていいのですか?

社員食堂を担当する管理栄養士の荻野さん

荻野さん:お鍋はいろいろなものがバランスよく摂れるのでいいですよ。

小澤さん:肉や魚の主菜と、野菜やきのこの副菜が簡単に摂れるため、スポーツ選手は鍋を食べる方が多いですよ。1年中鍋を食べている方もいます。

荻野さん:大鍋の中では薄味に調理して、七味などの辛味や酸味で手元で味付けすると、よりいいですね。

高山さん:あーそっか、そうですね。

――「ビールあんまり減らせないよね」ということでしたが、飲み方、例えば、ビールではなくてチューハイのほうがいいとかってありますか?

荻野さん:蒸留酒をソーダで割ったハイボールなど、「割る」お酒がいいと思います。あと、水を一緒にもらっておいて、交互に飲むとか。甘いお酒はカロリーが高いので気をつけてください。

小澤さん:「我慢のしどころを間違えない」という意味では、15時の間食も無理して我慢する必要はないと思います。私は15時くらいに糖分をとって、集中力を保つようにしています。夕方に糖質がぐんと下がってドカ食いしちゃうよりも、一回そこで摂り入れて、夜にたくさん食べるのを抑えています。

――確かに。夕方になると、無性にコンビニに行きたくなるんですよね。それをするくらいだったら、ということですね。

高山さん:オススメの間食はありますか?

小澤さん:会社にフルーツを持っていくことが多くて、ミカンやりんご、バナナをおやつに食べたりしています。そうでもしないと、フルーツってなかなか食べる機会がないですよね。

荻野さん:飲み会のシメにしても、間食にしても、自分の癖を知っておくといいと思います。とにかく、まずは知ること。自分が食べたいものが何キロカロリーで、どれくらい走れば消費できるのかということが分かると、具体的な行動に移しやすいですよ。モヤモヤ漠然としているから、もういいやってなっちゃう。まずは知ることから始めてみましょう。

――なるほど。知る、行動、チェックのサイクルを回すんですね。荻野さん、小澤さん、今日はありがとうございました!

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2403/17/news022.jpg 【追記あり】夫に「油買ってきて」と頼んだのに、手ぶらで帰宅した理由はまさかの…… とんでもないオチに「やめてww」「久しぶりに大爆笑」
  2. /nl/articles/2403/18/news022.jpg 1歳息子の“はじめての寝落ち”が140万再生 10歳兄のやさしい行動に「なにこの平和でかわいい世界」「最高に癒やされる」と絶賛の声
  3. /nl/articles/2403/17/news063.jpg 「予言者いた」「先見の明」 大谷翔平選手&真美子さんの結婚を2021年時点で予言(?)している投稿が発掘され話題に
  4. /nl/articles/2403/17/news047.jpg 北海道内の移動距離を本州と比較したら…… 感覚がバグるマップ画像に「これが北海道」「大きすぎる」
  5. /nl/articles/2403/18/news042.jpg 生後1カ月の赤ちゃん「ぼく泣かないもんねっ」 うるうるおめめとへの字口が「はぁ〜たまらん!」「ぐぁぁああああっっ」取り乱すほどかわいい
  6. /nl/articles/2403/15/news126.jpg 「一番イチャイチャしているように見える」 大谷選手が公開した写真でドジャース山本由伸選手の“手つなぎ”?が話題に 「そっちに目が行く」
  7. /nl/articles/2312/29/news019.jpg 「妻の服を勝手に着て脱げなくなったムキムキ夫とデカワンコ」に爆笑の嵐 シュールすぎる状況が500万表示突破
  8. /nl/articles/2403/18/news025.jpg “おしりが5日で変わる”トレーニング! 「明日からやるか」「1日1回だけなら続けられる」と累計3000万再生突破
  9. /nl/articles/2403/18/news056.jpg 大好きなボールを100個プレゼントされたときのワンコの表情に「放心ww」「引いてない?」 直視できない姿がSNSで話題
  10. /nl/articles/2403/18/news064.jpg 赤ちゃんが妙に静かだと思ったら…… 思わぬものへの“真剣モード”に笑顔になる人続出「たれたもちもちほっぺたまらん!」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  2. 昭和時代に“無かった物”が写っている……? 細かすぎて伝わらない「未来から来たことがバレた写真」に6万いいね
  3. 「マジで汚い」「こんなもんです」 辻希美、“大散乱”のリビングと“新”キッチンの差を公開し共感の声集まる
  4. 双子の赤ちゃん、姉が全力でくしゃみして…… 被害にあった妹の反応に「生後3ヶ月でドリフのコントw」「めちゃどっちもカワイイ」と絶賛の声
  5. 「よくも病院に連れてきたな……」とにらむ猫、先生が来た瞬間 驚きの変貌に爆笑の声「これがほんとの猫かぶり」
  6. 急に片耳がたれたワンコ、慌てて病院にいった結果…… 「こんな可愛い診断結果初めて見たよw」「笑っちゃった」と反響
  7. 「何羽いる?」一見普通の“草むら”、よく見ると……? 思わず絶叫まちがいなしの1枚に「どっさりいるw」「まさに迷彩!」
  8. 店員に「この子は懐きませんよ」と言われたチンチラ、家に来て3日後…… 人を信じる姿に「愛が伝わったんですね」
  9. 元SDN48光上せあら、目を離した隙に……子どもが商品を触り“全買取” 「子連れママに厳しすぎないか?」
  10. 柴犬を子どものように育てた結果、人間みたいな行動をするようになった 何気ない幸せな日常に「完全に家族の一員」「全部が愛くるしい」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」