コラム
» 2015年09月20日 06時00分 UPDATE

売られている野菜の鮮度を見抜く“意外”な方法――「包装」と「レンジ調理」でおいしさはどう変わる?

店頭で売られている野菜を選ぶとき、どんな点に注目していますか? 実は野菜を包装している「ビニールパック」が、鮮度を見抜く決め手になるのです。

[石原亜香利,ITmedia]

 普段、スーパーマーケットなどで野菜を購入するとき、どのような基準で選んでいますか? きっと、色ツヤや汚れ、欠損具合などをよく見て、なるべく鮮度が高そうで、おいしそうなものを選んでいることでしょう。けれど、実は、鮮度やおいしさは、野菜を包装するビニールパックによっても変わることが分かっているのです。

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「ビニール包装」の注目ポイント

 今回お話を伺ったのは、野菜を新鮮に保つ包装(ビニールパック)を開発しているベルグリーンワイズの田坂茉莉さん。普段、店頭などでは野菜そのものを見て選ぶことは多くても、なかなか包装に着目する機会はないと思いますが、実際に選ぶ際にはどのような点に気を付ければよいのでしょうか?

田坂さん:通常、野菜は“ボードン(防曇)袋”といって、水滴で曇りにくい袋に入って並べられています。水滴がついてしまうとそこから腐りやすくなってしまうので、それを防いでいるのです。反対に、もしフィルムが結露してしまっているものがあれば、それは保存には不向きのものといえるでしょう。野菜の過剰呼吸や水分の蒸発を防ぐことができるフィルムであれば、より高い鮮度を保てます。

――店頭では、袋に入っておらず、バラ売りされている野菜も多いですが、そうした野菜と袋に入っている野菜とでは新鮮さも変わってくるのでしょうか?

 通常、店頭に並んでいるようなものではどちらも大きな差はないかと思いますが、時間が経過した場合や、長期間保管したような場合には、袋に入っているもののほうが乾燥しにくいということはあります。

――野菜を買ってきた後にできる、鮮度を保つコツはありますか?

 一般的なビニールパックの場合、水滴がついている場合はその部分から腐ってしまうことがあるので、きれいにふき取るのがコツですね。

 特に、湿気に弱いキュウリやニンジン、ショウガなどは水気をキッチンペーパーで拭き取ってから冷蔵保存すると腐りにくくなるといわれています。その他、野菜は種類ごとに、新鮮に保つための保存のコツがあります。例えば、ほうれん草や小松菜などの青い葉っぱのある野菜は、葉から水分が蒸発するので、冷蔵庫で保存するときは葉の先を上にして立てて保存しましょう。

 玉ねぎは湿気に弱いため、冷蔵庫より冷暗所で保存が向いており、ニンジンは葉がついていれば切って別々に冷蔵保存。根の部分は新聞紙に包むと新鮮さを保ちやすくなります。ジャガイモは冷暗所保存が良く、リンゴと一緒にポリ袋で保存すると芽が出にくくなるといわれています。

 ちなみにベルグリーンワイズでは、より青果物を長持ちさせる効果があるという、内部が結露しない特殊なフィルム(オーラパック)を開発しています。枝豆の実験では、一般的なフィルムと比べると下記のような変色に差が出たのだそう。フィルムや保存方法だけでここまで変わるとは意外です。

ts_bgw02.jpg 包装による枝豆の変色の差(平均温度10度、平均湿度25%で7日間テストを実施) (C) BELLE GREENWISE

効率的に栄養を摂れる「レンジ調理」

 ところで、普段、野菜を食べるときにはどのように調理していますか? 最も野菜そのものの味を楽しめるのがゆで調理ですが、わざわざ鍋でゆでずとも、レンジでチンして手軽に調理する方法もあります。にんじんやじゃがいも、アスパラなどの野菜を、火が通りやすいようにスティック状などに切り、耐熱皿に乗せて、大さじ1程度の水をふりかけたものに、ラップをふんわりかけて600Wのレンジで5〜6分チンすれば、温野菜が完成。

 このように野菜をレンジで調理をすると、ゆでたときと同じようにやわらかくなりますが、実際は栄養価に違いが出ることがあるようです。そこで、田坂さんに野菜のレンジ調理とゆで調理の栄養面の違いを教えてもらいました。

――野菜をレンジでチンすると、ゆでたときより電子レンジの熱で栄養素が壊れてしまうことはないのでしょうか?

田坂さん:レンジ調理だからといって、ゆでた場合より栄養素が壊れるということはないと思います。逆にレンジ調理のほうが、水に栄養素が流れ出ず、栄養素が効率よく摂取できるものが多くあります。また、加熱時間が短いと、多くの野菜に含まれるビタミンCなどの熱に弱い栄養素も残る確率が高くなります。レンジ調理だと、例えばブロッコリーは約14%、ホウレンソウは約26%、ジャガイモは約33%、ゆでるよりもビタミンCを多く摂取できます。

 ベルグリーンワイズでは、フィルムがついたままレンジ調理できるシリーズも展開していますが、このシリーズの枝豆をレンジ調理した場合と、ゆで調理した場合とで、栄養分を比べた実験の結果、枝豆のおいしさを引き立たせるうま味成分「グルタミン酸」と甘味成分「ショ糖」は、レンジ調理した場合のほうが多く残っていたそうです。また、むくみや高血圧に効果的といわれる「カリウム」や、酸化を防ぐ「ビタミン」についても、レンジ調理したほうが、残留量が多い結果となったといいます。

ts_bgw04.jpg オーラパックによるレンジ調理とゆで調理による栄養分残留量の違い(C) BELLE GREENWISE
ts_bgw05a.jpgts_bgw05b.jpg 「オーラパック すぐ食べレンジ」シリーズ (C) BELLE GREENWISE

まとめ

 普段、野菜を買うときは、できればビニールパックに入っているものを選び、内側に水滴がついていないかをチェックするようにしましょう。また、野菜を買った後も、水分を放置しておくのは腐る原因になります。ビニールパックに水滴がついていたり、野菜が濡れていたりする場合は拭き取るなどして、できるだけ新鮮さを保つようにしましょう。

 また、食べるときは、ゆで調理だけでなく、レンジ調理もおすすめです。場合によっては、レンジ調理のほうが栄養をこぼさず摂取できることも。貴重な野菜は、できるだけ新鮮においしく食べたいものですね。

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