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» 2015年10月10日 06時30分 UPDATE

“ウェアラブル”の今:第46回 Google OnHubはスマホに次ぐ「ウェアラブルのまとめ役」になるか? (1/2)

7年ぶりに新調した自宅のWi-Fiルーター「OnHub」には、さまざまな可能性を感じたが、その1つがウェアラブルデバイスのハブになり得る、という点だ。現状はまだ具体的な機能はないものの、今後の拡張が楽しみだ。

[松村太郎,ITmedia]
Google OnHub Googleの「OnHub」

 本連載でも初期にGoogle Glassについて紹介してきた。Google自身は、すでに一旦プロジェクトに一段落をつけているが、Wall Street Journalなどによると、「Project Aura」として、Googleが買収したNestのチームの元で開発が続けられているという。

 その一方でGoogleは、ウェアラブルデバイスを含むコネクテッドデバイスが存在する環境作りに向けた整備も進めている。その一端を感じることができるのが、今回ご紹介するGoogleのWi-Fiルーター、OnHubだ。

 このデバイスについて簡単に言えば、「電波環境を最適化してくれるIEEE802.11ac(AC1900)サポートの、インテリア性に優れたWi-Fiルーター」という評価だ。現状においては、ウェアラブルやIoTに関する話は出てこない。だからこそ、少し将来について考える余地を与えてくれると思う。

Google Glassとウェアラブル

 今改めてGoogle Glassについて振り返ってみると、ウェアラブルデバイスとして、ハンズフリーのディスプレイデバイスという側面、音声による操作という側面、そして視線カメラという側面を見出すことができる。そして、どれも少しずつ、環境整備が進んできた。

Google Glass Google Xのプロジェクトとしては終了となった

 本連載で中核的に扱っているApple Watchは、ハンズフリーのディスプレイデバイスで、実際に市場での普及を進めながら、その可能性について探求をはじめた。これが残りわずかになってきた2015年の動向だろう。とにかく新しいデバイスを手に取ってもらうために、最も売れているスマートフォンであるiPhoneとペアリングし、毎日着けてもらうためにエクササイズ機能を一押しの機能にしている。

 Appleによる力業での普及も後押しし、Apple Watchはウェアラブルデバイスで2位、スマートウォッチでトップの販売台数を誇るものの、現状はエクササイズ機能以上に夢中にさせる機能はまだない。

 2つ目の音声入力での操作については、認識精度の充実とともに、人々が音声を使ってデバイスを操作するという習慣そのものをいかに定着させるか、という課題を浮き彫りにした。

 音声に関しては援軍も多い。AppleはSiriをApple Watchに取り入れ、続いてApple TVにも採用している。またAmazonの「Echo」は、謎の円筒形のデバイスではあるが、話しかけると情報を返してくれたり、音楽を再生してくれたりする「音声による対話デバイス」だ。

 そして3つ目のカメラについては、「GoPro」が新しい世界を切り開いていると言える。

 友人の映像作家にも「GoProで人生が変わった」と答える人が何人もおり、定点もしくは人の目線で「なんでも撮りっぱなし」にできることによるメリットを強調する。今年の秋にはApple Watch向けのアプリが登場する予定で、撮りっぱなしの映像に「ここぞ」というポイントでマーキングができる仕組みが備わるという。

 Google Glassの可能性を、我々が徐々に理解しやすい時代になりつつある、というのが筆者の印象だ。時期が熟してきた時、改めてGoogle Glassが登場するなら、我々はより歓迎の声をあげることができるのではないか、と思う。

Wi-Fiルーターを新調

 前段が長くなったが、今日取り上げるのはウェアラブルデバイスではない。しかしもしかしたら、ウェアラブルデバイスを家で束ねてくれる存在になるかもしれない、据え置き型の機械だ。Googleブランドを冠し、将来的にウェアラブルデバイスもサポートすると考えられている、Wi-Fiルーター「OnHub」だ。

Google OnHub 今は高性能なWi-Fiルーターだが……

 Wi-Fiルーターを購入するのは筆者にとって7年ぶり、3度目だ。前回購入したのは2008年で、Appleのハードディスクを内臓したWi-Fiルーター「Time Capsule」だった。Macのバックアップを取ることができるマシンだったが、現在重要なデータは、音楽や写真も含めて全てクラウドにあり、手元でのバックアップを行う必要はほぼなくなった。そこで、白くなく、インテリアとしても面白いOnHubを選んだ。

 OnHubはTP-LINK製造のWi-Fiルーターで、前出のAmazon Echoのような円筒形のデバイスだ。色は2色から選べるが、Apple TVと合わせるべく、黒にした。Appleも黒いWi-Fiルーターを出すべきじゃないか、と思うのは筆者だけだろうか。

 トップには3ワットのスピーカーが内臓されており、その部分を取り囲むようにしてLEDのインジケーターがある。通常は緑色で光っている。円筒形の全方向に6つの2.4GHz、5GHzそれぞれのアンテナが内臓されており、周囲の環境に合わせて設定を最適化することができる仕組みを備える。

Google OnHub OnHubの上部にはLEDのインジケーターと出力3ワットのスピーカーが搭載されている

 筆者の仕事部屋では微妙にWi-Fiの速度が出ないという問題に悩まされていたが、効果的に改善されたようだ。また、2.4GHzの強力なアンテナが1つ備わっており、自宅で使う場合に届きにくいトイレや風呂場の電波環境も改善された。

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