Wi-Fi体重計などのデジタルヘルス機器を手がける仏Withings、Nokia傘下に

今や通信インフラ企業のNokiaが、フランスのデジタルヘルス機器メーカー、Withingsを買収すると発表しました。

» 2016年04月27日 22時17分 公開
[園部修ITmedia]
withings フランスのWithings

 Wi-Fi搭載の体重体組成計「Smart Body Analyzer」や、活動量計を搭載したアナログ表示の時計「Activite」などのデジタルヘルス機器の開発元として知られるフランスのWithingsが4月26日(現地時間)、フィンランドのNokiaの傘下に入ることを明らかにしました。Nokiaによる買収金額は1億7000万ユーロ(およそ212億5000万円)で、全額キャッシュで支払われます。買収は、規制当局の審査などを経て、2016年の第3四半期(7〜9月)頃に完了する見通し。

 買収完了後、Withingsは、Nokia Technologiesの一部門になります。なお、Withingsの創業者でCEOのセドリック・ハッチングス(Cedric Hutchings)氏は、買収後はNokiaのデジタルヘルスビジネスユニットの責任者に就任するそうです。

 Withingsは、日本では前述のWi-Fi体重体組成計やアナログ時計のような活動量計が比較的知られていますが、最大酸素摂取量(VO2 max)が計測できる活動量計(国内では使用不可)、体温計や血圧計、睡眠計、ネットワークカメラなど、健康にまつわるさまざまなデジタル機器を手がけています。

 一方、Nokiaというと、かつては携帯電話事業で世界第1位のメーカーでしたが、携帯端末事業はMicrosoftに売却しており、現在は通信インフラ(基地局設備やソフトウェアなど)のメーカーとして知られます。デジタルヘルス/コネクテッドヘルス分野には以前から興味を示しており、欧州の有力企業を取り込むことで、この分野での存在感を示す狙いがありそうです。

 2015年頃から、大手企業によるヘルスケアベンチャーの大型買収が話題になっています。直近ではスポーツ用品メーカーのアシックスが2月12日に、スマートフォン向けのランニングアプリ「Runkeeper」を運営する米国のFitnessKeeperを買収。ドイツのスポーツ用品メーカー、adidasグループは、2015年8月6日に、オーストリアのフィットネスアプリを開発するベンチャー企業、runtasticを買収しました。時計やバッグなどを手がけるFossilも、2015年秋に活動量計のメーカーであるMISFITを買収しています。今後もしばらくはこういった話を聞くことになりそうです。

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