「月曜日、仕事行きたくない…」 休み明けに憂うつにならないためにしておくべきこと臨床心理士みらーのメンタルアドバイス

休日明けの月曜日や連休明けに憂うつな気分になり、「仕事に行きたくない」「学校に行きたくない」と感じたことはありませんか? 昔から「ブルーマンデー」や「サザエさん症候群」と呼ばれるこの状態が起きるメカニズムとその対処法を紹介します。

» 2016年08月20日 07時00分 公開
[みらーITmedia]
休み明けの憂うつ

 夏と言えば、夏休みやお盆休みなど、一般に休みが多いシーズンです。こういった連休は、好きなことをしたり、旅行に行ったり、友人と遊んだり、家族や恋人との時間をゆっくりとれたりと、とても有意義な時間です。

 でも、その反動か連休明けや休み明けになると、「仕事に行きたくない」「学校に行きたくない」と、憂うつな気分になる人は、とても多いんです。これは「ブルーマンデー症候群」とか、少し前は「サザエさん症候群」などと言われ、世間でも話題になりました。

 ちなみにサザエさん症候群というのは、日曜日の夜に放映されているアニメ、「サザエさん」を見ると、翌日が仕事だと思い知らされ憂うつになってしまう、という人が一時期とても多く、そこから名付けられたものです。

 このように、休み明けの憂うつは、名前が付くほど多くの人が経験することですし、共感できるという人も多いのではないでしょうか。

休み明けに憂うつになる原因とは?

 普段は大丈夫なのに、休みが明ける前日の日曜日、そして休み明けの月曜日の朝、とても憂うつになる。連休ともなれば、その傾向は余計強くなります。一体なぜこのようなことが起きるのでしょうか。

 これは、主として生活リズムを休日から日常に戻すときのストレスや、普段よりも外出や外食が増えたことによる生活の変化が原因と考えられています。さらに、休みの間は好きなように過ごしていたのに、翌日から仕事に行かなければならないとなれば、それはストレスになります。場合によっては休み明けに仕事が山積みになっている、なんていう状態が想像されて、仕事に対するネガティブな気持ちが生まれやすくもなります。このように、休み明けはストレスが強くなるタイミングなのです。そして休みの日数が多くなればなるほど、この傾向は顕著になります。

休み明けに憂うつにならないようにするための対処法とは

 連休明けの憂うつは、誰にでも起きる事象です。しかし、誰にでも起きるということは、対処に関しても一般的な方法が存在するということでもあります。ここでは、広く活用されている対処法をいくつかご紹介したいと思います。

1. 自分へのご褒美を用意する

 連休明けの憂うつさとは、仕事に対するネガティブな意識付けの結果ということができます。休みが長く、楽しければ余計に仕事と休みのギャップが強くなり、仕事=嫌なこととなって憂うつになってしまうのです。

 こういった場合、仕事の後にちょっとしたご褒美を用意しておくと、仕事は大変だけど、その後に何か楽しいことがある、と思えて憂うつな気分が紛れるということがあります。人間は予測がついた方が気持ちが整理しやすいので、「今日の仕事が終われば楽しいことがある!」と思えれば、一番辛い休み明けの1日をうまくやりすごすことができます。

2. 連休前に連休明けの計画を立てておく

 人間は予測がつかないもの、得体の知れないものに対して強く不安やストレスを感じます。

 連休明けの仕事の量はなかなか予測がし辛く、不在の間に何か起こっていないか、不安になることもあります。また頭が休みモードのときには仕事のことを考えにくいこともあって、仕事=予測がつかないもの、となってしまい、ストレスを感じやすくなり、憂うつさを感じてしまいます。

 こういうときは仕事を少しでも予測可能なものにしてストレスを感じにくくするという対処が有効です。

3. 連休中に準備をしておく

 休み明けの憂うつの1つの原因は、生活リズムを休日から日常に戻すときのストレスにあります。ですので、休み中に生活リズムが戻ってしまえば、休み明けの憂うつを軽減することができます。

 そのためには、例えば休みの最終日はいつもより早めに起きたり、自宅でご飯を食べて早めに就寝したり、といったことで、休みと仕事の生活リズムのギャップを埋めると、憂うつは起きにくくなります。

4.休み明けの1日を有意義なものにする

 繰り返しになりますが、休み明けに一番憂うつになるのは休みが明けた1日目の仕事の日です。そこで、その日を有意義なものにすると、その憂うつは治まってくるかもしれません。

 有意義なものにする方法はいくつかありますが、例えば朝食や昼食を豪華にしたり、オシャレをしてみたり。そういったことでその日のモチベーションを維持して過ごすと、憂うつさも軽減されますし、翌日以降の仕事でもモチベーションを維持しやすくなります。

5. 月曜日の仕事終わりの夜は無理をしない

 なぜ休み明けの憂うつの話で月曜日の夜の話になるのか、と思うかもしれませんが、月曜日の夜も意外と重要です。なぜかというと、休み明けの憂うつはその時々で始まるものではなく、日々の積み重ねの中でも起きるからです。

 とりわけ休み明けの月曜日の印象は、休み明けの憂うつと強い関係があります。

 もし月曜日に嫌な経験をしてしまったら、その経験が頭に残ってしまって、その次の月曜日も嫌になりやすくなります。ですので、月曜日の仕事では、可能な限り無理をせず過ごすことで、自分の中でも「月曜はあまり辛くない」という意識が出てきて、日曜日の憂うつが薄まる可能性があります。

 以上、連休明けの憂鬱に対処する方法でした。誰にでも起きる、休み明けの憂鬱。いろいろな工夫をしてなんとか乗り切っていきましょう。

臨床心理士みらー プロフィール

鏡元

 本名は鏡元(かがみげん)。大学院修了後、専門学校の非常勤講師および、高校のスクールカウンセラーを勤め、同時期に教育機関での心理相談員および不登校対策事業の心理相談担当を歴任。

 現在は悩み相談掲示板サイト「ココオル」で相談員を務めるほか、活動領域を青年期支援に移し、地域若者サポートステーションにて若者支援も行っている。年間のカウンセリングは1000件以上。特に興味、関心領域である「病んでいる人」、いわゆる「メンヘラ」の相談支援に定評がある。


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