頭痛、目の疲れ 「VDT症候群」が引き起こす症状と対策
なんだか体がだるく、疲れ気味。肩こりや頭痛も気になる。健康体なのになぜかこのような症状が起きることがあります。そこに加えて、眼の疲れやかすみ目が起きていませんか? もしかしたら、VDT症候群かもしれません。
身体や眼の疲れが取れない、肩こりや頭痛がする、寝つきが悪く睡眠が浅い……多くの人が抱えているこうした症状は、近年患者数が急増しているといわれる「VDT症候群」が原因かもしれません。
VDT症候群の症状は?
PCやスマホ、タブレットなど、ディスプレイを長時間使用することでさまざまな症状が起きる「VDT症候群」。果たして、その実態や実際の症状、予防・改善のポイントはどこにあるのでしょうか。今回は、VDT症候群の患者を診る、おだ整形外科クリニックの小田博院長に、VDT症候群について詳しく聞いてみました。
おだ整形外科クリニックでVDT症候群と診断された患者さんには、次のような症状が多かったそうです。
- 身体の疲れ(78.3%)
- 眼の疲れ(70.0%)
- ドライアイ(66.7%)
- 肩こり(65.0%)
- 頭痛(38.3%)
- 腰痛(20.0%)
- 抑うつ(16.7%)
「当院は整形外科ですので、眼の症状より肩こりを訴えられる方が圧倒的に多いのですが、よく聞いてみると高率で眼の症状(眼の疲れ、ドライアイ)も伴っています」(小田院長)
「また多くの方が、身体が疲れている、だるいといった症状を持たれています。眼や肩の不調から身体のだるさになり、悪化すると頭痛や腰痛になり、さらに不眠やうつ症状などの精神症状が出てきます。ここまでくると仕事を休まないといけなくなります。
PC、スマホが手放せない時代ですので、このような患者さんは今後必ず増えるでしょう。業務効率が低下し、経済的にも影響を及ぼす可能性があり、世界的に早急な対策が必要です」
医師に聞くVDT症候群の実態
小田院長によれば、ここ数年でVDT症候群の患者数が増えているといいます。
「2012年7月から2015年7月までの3年間、当院(おだ整形外科クリニック)でVDT症候群と診断したのは60例でした。少ないように思えますが、2014年あたりから急に増えてきています。
この1年くらいは、毎日1人はVDT症候群の患者さんがいます。多いと新患で2〜3人の方を診察します。クリニックに来院するまでに至らない軽症の方や、仕事が忙しくて休めない方などを含めると、潜在的にはとても多いのではないでしょうか」(小田院長)
おだ整形外科クリニックで行われた調査は、20歳から75歳(平均45歳±1.6)までの男女を対象としたもの。男女の割合は、男性45%(25例)、女性55%(35例)でした。
診断には「VDT症候群診断スコア」を使用し、合計スコアが22点満点中12点以上をVDT症候群と診断。60人のうち、VDTスコアの平均は14.6点だったそうです。
すぐ実践できるVDT症候群の予防・改善法
VDT症候群が、労働の環境衛生的に悪影響を及ぼしていることは厚生労働省も認めています。そこで、PC使用時間を制限することや、机や椅子高の角度、照明輝度の調整などの予防法を報告しています。
しかし、実際の仕事環境からすれば、これらはあまり現実的ではないと小田院長。確かに、やろうと思っても、1人ではすぐにできるものではありません。そこで、VDT症候群のおすすめの予防法と改善法を教えてもらいました。
「2012年から、耳うらのツボがVDT症候群に効果的であることを提唱してきました。実は耳のうらにはVDT症候群に関係する神経がたくさん走行しています。主に、眼の調節に働く「動眼神経」、肩こりに関係する「副神経」、全身の体調を整える「迷走神経」などです。これらは全てストレスを調節する副交感神経ですので、心身のリラクセーションにも関係しています。さらに、この耳うらの神経付近には、東洋医学的なツボも多く存在しています」
「VDT症候群かなと思ったら、耳うらを温めたり、さすったり、軽くマッサージしてみてください。すっきりしてPC業務がはかどり、良い仕事に導いてくれるでしょう」
PC、スマホなどを長時間操作中、肩こりやだるさ、眼の疲れなどを感じたら、1時間ごとに小休止を挟む、ストレッチをするなどの基本的な対策も必要ですが、ふとしたときに、「耳うら」を試してみると良さそうです。
取材協力
小田 博先生
医学博士、おだ整形外科クリニック院長、株式会社ディディトリニティーラボ代表
VDT症候群の治療法を研究し、耳ツボ療法、耳かけリラクゼーションギアEARHOOK、VDT用サプリメントDDTシリーズ、美軟骨アイ、水素フローラの開発ドクター。
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