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第30回 Apple Watchを使うとあまりにも簡単なApple Payの決済“ウェアラブル”の今(1/2 ページ)

米国ではVISA、MasterCard、American Express、Discoverと、主要なクレジットカードが対応を表明している決済サービスApple Pay。Apple Watchがあると、この決済が驚くほど簡単に利用できる。

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Apple Pay on Apple Watch
Apple WatchでのApple Pay支払いは、驚くほど快適だった。財布からカードを取り出さず、iPhoneだけで済んでいたApple Payだが、これがiPhoneすら取り出さずに決済できるようになる

 「Apple Watch」とともに、2014年9月に発表されたApple独自の決済システム「Apple Pay」。現在は主に米国で、「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」「iPad Air 2」「iPad mini 3」で利用できるサービスだが、Apple WatchにもNFCチップが内蔵されており、これを使ってもApple Payでの決済ができる。

 Apple Payは、指紋認証のTouch IDを用いて、あらかじめ登録しておいたクレジットカードやデビットカードと、住所などのユーザー情報を活用して、店頭もしくはアプリ内のオンラインショッピングで代金が払える仕組みだ。

 利用するには、米国内のApple Payに対応する銀行が発行したクレジットカード/デビットカードと、米国のApple IDを使って登録する必要があるが、直近ではカナダや中国へとその対応エリアを拡げる計画があるという。

 早速、Apple WatchでApple Payをセットアップし、地元バークレーに新たにできたスーパー、Whole Foods Marketで使ってみたが、Apple Payは、Apple Watchで使うのが“本命”だと感じる。

iPhoneとは別に、セットアップが必要

 Apple Watchは、バーコードを表示するタイプのチケットや、プリペイドカードを利用できる「Passbook」をサポートしている。そのため、後述の米国Starbucksカードや、航空券、イベントのチケットなど、iPhoneに取り込んだPassbookのチケットは、自動的にApple WatchのPassbookアプリに取り込まれる。

 そのため、Apple Payが設定されているiPhoneとApple Watchをペアリングすれば、そのままApple WatchでもApple Payが使えるようになるのかと思っていたが、そうではなかった。

 iPhoneでApple Payをセットアップしていても、同じカードであっても、Apple Watch向けに再度、Apple Payの登録作業を行わなければならない。

 通常のiPhone向けのApple Payの設定は、Passbookアプリから行うことができる。しかしApple Watch向けのApple Payの設定は、iPhoneのApple Watchアプリから設定する。

 メニューの「PassbookとApple Pay」を開くと、Passbookアプリと同じ手順で設定をすすめることができる。まず、カード表面をカメラで読み取り、名前の確認、有効期限の入力、セキュリティコードの入力を行う。

 すると、カード会社から登録の認証を取るプロセスに入る。筆者が今回設定したAmerican Expressカードの場合、認証コードをSMSかメールで取り寄せることができ、送られてきたコードを入力すれば設定完了だ。

Apple Pay setupApple Pay setup Apple Watch向けのApple Payは、iPhoneのApple Watchアプリから設定する。設定の方法は、iPhone用にApple Payをセットアップする方法と同様だ

決済前に、電源ボタンをダブルクリック

 Apple WatchでApple Payを設定すると、Apple WatchのPassbookアプリに、設定したカードの券面の画像が表示されるようになる。これを使って決済するには、電源ボタンを2度押して、Apple Payの決済モードを呼び出すよう案内される。

 ボタンを2度押すと、画面にカードの券面の画像が現れ「準備完了」の文字と、「リーダーに近づけて支払いを完了」という案内が表示される。ここで、NFCに対応するクレジットカード決済端末にApple Watchを近づければ、決済が終わる。

 これは驚くほど快適だった。

 Apple Payで、財布からカードを取り出さなくても、iPhoneだけで決済できるようになったが、Apple Watchを使うと、iPhoneすら取り出さず、ボタンを押して手首を返すだけで決済が終わる。

 おそらく、両手がふさがっていても決済ができるだろう。あるいは、秋から冬場にかけて、長袖のパーカーを着ていても、服の下のApple Watchのボタンをダブルクリックして、めくらずにリーダーにかざせば決済ができるのだ。

 また、設定プロセスからして、iPhoneとは別のトークンが割り当てられているようだ。そのため、ペアリングしているiPhoneがその場になくても、Apple Watch単体でApple Payの支払いが可能となる。

 実際に、iPhoneを機内モードにしてペアリングを解除してから支払いをしようとしても、同じように決済ができた。

 これだけ簡単な決済だと、セキュリティが気になるところだ。指紋認証を採用しているiPhoneで利用するApple Payと比べると、Apple Watchのセキュリティは弱いと感じる。ロック解除状態のApple Watchなら、ボタンを2度押せば誰でもそのカードで決済ができてしまうからだ。

 また、Apple Watchを手首から外せばロックがすぐにかかり、Apple Payも利用できなくなるが、4桁のパスコードでロック解除をすれば、やはり同様に決済が可能になる。このパスコードのセキュリティを強固ととらえている人はそう多くないはずだ。

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