長すぎる睡眠は逆にダメ?長時間睡眠の恐ろしい問題点とは
一日に3〜4時間程度しか寝ない短時間睡眠は、多くの人にとって日中のパフォーマンスを著しく下げるといわれています。とはいえ、長く眠れば眠るほどいいというわけではないようです。
今、どれくらいの睡眠時間を確保できていますか? 総務省による「平成23年社会生活基本調査結果」によれば、日本人の平均睡眠時間は7時間42分で、過去25年間で減少傾向にあります。不眠の人が多いといわれる今の時代、睡眠時間をどれくらい確保できるかは多くの人の関心事といえそうです。
とはいえ、長く寝ればいいというわけではなく、むしろ長時間睡眠は寿命を縮めるリスクがあるといわれているのです。
ショートスリーパーとロングスリーパー
ナポレオンやエジソンは、毎日3〜4時間睡眠のショートスリーパーだったという説があります。多忙な社会人にとって、ショートスリーパーはまさに憧れの的。短時間の睡眠で、日中のパフォーマンスに支障がなく、かつ、健康を保っていられるのであればそれに越したことはありません。しかし、普通の人が4時間睡眠を続けていると、どうしても支障が生じてくるといわれていますし、寝不足による不調は誰もが感じた経験があるでしょう。
一方、あのアインシュタインは10時間睡眠のロングスリーパーだったという説があります。しかし、皆さんが普段10時間睡眠を毎日続けるのはさすがにしんどいのではないでしょうか。休日に寝すぎて逆に体調が悪くなったという経験をしたこともあるはずです。
ショートもロングもどちらもあまりプラスにはならない眠り方のような気がしますが、実際はどうなのでしょうか?
寝すぎると短命になる?
実は寝不足も寝すぎも、どちらも体に負担になり、さらに脳も活動が鈍くなるといわれています。特に寝すぎについては、「短命」につながることが米カリフォルニア大学の調査で発覚しています。一日に6.5時間以下の人より、7.5〜8.5時間以上の長い睡眠をとっている人のほうが、死亡率が20%も高くなったという恐ろしい結果に。
「最低4時間半以上眠れば、十分疲れが取れる」という説や、「そもそも睡眠は少し足りないくらいのほうが、次に寝る機会に、より深く眠ることができていい」という見解を持つ睡眠医もいるくらいです。長く寝すぎることは、かえって体に支障をきたすという考えがあることを十分覚えておきましょう。
最適な睡眠時間と眠りのコツ
一般に、人間にとって最も適正な睡眠時間は6.5〜7.5時間といわれています。もちろん個人差はありますが、特殊な睡眠傾向でない限り、この範囲でとるのがベストといえそうです。
また、大事なのは長さではなく、中身。つまり睡眠の質をいかに上げるかがポイントだといわれています。睡眠の質を上げるためのコツは、「ちょっと寝足りないかな?」というところで切り上げ、自然と不足分を補おうとする力に任せて、毎晩ぐっすり眠ること。日頃、あまり深く眠れていないと自覚している人は、実践してみる価値があるでしょう。
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