実験! iOS 9の低電力モードでバッテリーの持ちはどう変わる?
iOS 9で用意された「低電力モード」を活用すると、どれくらいバッテリーの持ちが変わるのか。実際に試してみました。
iPhone 6sとiPhone 6s Plusに採用されているプロセッサ「A9」の製造元が、Samsung ElectronicsかTSMCかでバッテリーの持ちが違う、という話が話題になっていますが、今回のテーマはそれではありません。iOS 9で新たに用意された「低電力モード」を活用するとどれくらいバッテリーが持つようになるか、を簡単に調べてみた結果をご照会します。
低電力モードとは?
iOS 9の新機能の1つである低電力モードは、「設定」アプリの「バッテリー」の中に用意されている機能で、必要に応じてオンとオフを切り替えて利用できます。オンにすると、メールの取得や“Hey, Siri”への応答をやめ、アプリのバックグラウンド更新や自動ダウンロードを行わず、一部の視覚効果は減ったりオフになったりします。特に画面が消えている待受状態で、不要不急の通信やコマンド待ちを減らすことでバッテリー駆動時間を延ばす機能です。
バッテリー残量が心もとないけれど充電する手段がない、といったときなどに、少しでも長く使えるように活用する機能というイメージですが、常時オンにしておいてもさほど不便を感じることはありません。バッテリーの持ちが普段から気になっている人は積極的に活用してみてもいいでしょう。
ちなみにこの低電力モードは、充電をしてバッテリー残量が80%まで回復すると自動的に解除されます。常時利用したい場合は、充電をする度に設定の確認が必要です。低電力モードにすると、画面右上のバッテリーアイコンが黄色くなるので、見分けるのは簡単です。
2台のiPhone 6s Plusで実験
さて、では低電力モードをオンにするとどれくらいバッテリーの消費に影響があるのか、実験してみました。
用意したのはiPhone 6s Plusの128Gバイト版が2台(ちなみにどちらもTSMC製のチップを搭載していました)。アイドル状態での消費電力に差が出そうな仕組みなので、1台のiPhone 6s Plusをバックアップし、もう1台のiPhone 6s Plusに復元して、同じアプリを起動、プッシュ通知は同時に届くもの以外オフにしました。使うときは右手と左手にそれぞれのiPhoneを持ち、同じ操作をする、というアナログな実験です。
24時間でおよそ4%ぶんの差
バックグラウンドでも動作するアプリをいくつか動かしつつ、プッシュ通知なども適宜受信するようにして、24時間少々2台を同じように使ってみた結果が以下の表です。
時間 | 低電力モード | 通常モード |
---|---|---|
19時36分 | 100% | 100% |
12時04分 | 60% | 57% |
19時33分 | 42% | 38% |
21時38分 | 35% | 30% |
低電力モードの方が、通常モードとくらべてバックグラウンドでのアプリの動作を止めていたりする分、長持ちするという結果になりました。24時間でおよそ4%の差が出ています。たいした差ではないと感じるかもしれませんが、この結果から1分あたりのバッテリー消費量が同じと仮定して大ざっぱに計算してみると、バッテリー残量がゼロになるまでの時間は通常モードで38時間42分くらい、低電力モードで41時間18分くらいとなります。2時間半くらいは延びるわけですね。
もちろん、ずっと通信をし続けるような使い方であればほとんど差は出ないと思われますが、朝家を出たときに充電し忘れていたことを思い出し、残り50%くらいのバッテリーを低電力モードで気を付けつつ使えば、通常モードよりは1時間強くらいは長持ちさせられる可能性が高そうです。
メールがプッシュで届かなくなるなど、若干不便な点もありますが、1日使った感じでは、それほど困ることはありませんでした。Appleが意図する使い方ではないと思いますが、少しでもバッテリーを長持ちさせるため、低電力モードを常用してもいいのかもしれません。
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