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インタビュー

「電解水素水」と「水素水」は別物? 販売元に取材してみた水だけに(1/2 ページ)

「電解水素水」と「水素水」は違うそうです。

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 5月25日に、「誹謗・中傷や、風説の流布等の事実でないものにつきましては、法律に則り厳正に対処いたします。」とやや激しい内容のリリースを出した日本トリム。その意図はどこにあったのか、経営企画部長に取材しました。

物議をかもした日本トリムのリリース文
物議をかもした日本トリムのリリース文

 まず、最近ホットな単語となっている「水素水」について簡単におさらいします。「水素水」という名称が一体何のことを指すのか、メーカーによって主張はさまざまでしょうが、ここでは水(H2O)に水素分子(H2)を溶かした水のことを指すこととします。この「水素水」に関しては日本医科大学の太田成男教授などが研究中ですが、医薬品としての認可は下りていません。一方、「水素水」という言葉に尾ひれがついた「電解水素水」「活性水素水」「ナノ水素水」などの類似した商品名もあります。これはメーカーによって使う単語が異なるためですが、その内容物が上記の「水素水」と同じものなのかどうか、消費者にとって分かりにくいというのが現状です。

 このように各メーカーがそれぞれの意図で「水素水」という単語を商品名に使うので、A社の「ナントカ水素水」への批判がB社の「カントカ水素水」という別製品にまで波及してしまう、あるいは「水素水」への批判がそのまま「○○水素水」という名の製品全てに波及するようなことがありました。

 こうした十把ひとからげな批判は許容しかねる、と「電解水素水生成器」を作る日本トリムは声を上げたということです。しかしながら、そのリリースが短く、かつ「誹謗中傷や風説の流布等には法律にのっとり対処する」という内容であったことからSNSで拡散されました。

 この短いリリース文の言いたいことは何だったのか、「電解水素水」とは何のことなのかということを、日本トリムの経営企画部長 田原周夫氏に電話で伺いました。

リリースの意図は?

―― このたび、5月25日付けで公開されたリリースはどのような意図で出されたものでしょうか。

田原氏 ここ最近、疑似科学系の話題や産経新聞の記事などで水素水が取り上げられるようになりました。このままですと弊社製品のユーザー様や株主様に不安を与えると思い、今回のリリースを発信いたしました。内容が短くてさまざまなご批判を頂きました。その点は反省しております。

「電解水素水」と「水素水」は別物?

―― リリースでは「水素水に関する不確実な情報」に触れられています。基本的な事項の確認となりますが、「水素水」と貴社の「電解水素水」は別のものという認識でよろしいでしょうか。

田原氏 はい。「水素水」といいますのは水に水素分子を溶かしたもののことで、それに対して弊社の「電解水素水」は「アルカリイオン水」の研究を進める中で、水素がその効果に関わってきているために「アルカリイオン水」から名称を変えたものです。アルカリイオン水は医療機器の認証も取得しており、効果効能をうたうことが可能になっています。アルカリイオン水というのは電気分解の際に陰極側で生成するアルカリ性の水です。そして陰極側では水素の気体も発生するので、その点も加味すると「電解水素水はアルカリ性で水素を含有している水」と言えます。

日本トリムが説明する「電解水素水」
日本トリムが説明する「電解水素水」

「電解水素水」は旧「アルカリイオン水」

―― アルカリイオン水の研究の延長線上の製品ということですね。「電解水素水」でうたっている効果効能に関しては、「アルカリイオン水」で認証された医療機器としての効果ということですが、この辺りが消費者にとって混乱や誤解を招く原因となっているように思います。

田原氏 そうですね。この点に関しては今後、広告などで周知していく必要があると思います。

―― 貴社の製品の医療機器製造販売認証番号を、独立行政法人医薬品医療機器総合機構が公開している「認証項目リスト」から参照すると、確かにリストの中にあります。しかし、認証項目の「一般的名称」が登録上では「連続式電解水生成器」とあるのに対し、貴社の製品ページを見ると「連続生成型電解水素水整水器」と記載されています。「電解水」と「電解水素水」では消費者の受ける印象が違うように思いますが、この表記は問題ないのでしょうか。

田原氏 登録時にはこの名称で申請していますが、商品名として「電解水素水」を使うことは問題ないと考えています。

―― なるほど。ちなみに、「アルカリイオン水」から研究が進み「電解水素水」の名称に変更されたとのことですが、「電解水素水」で医療機器の認証を取得することなどは検討されていますでしょうか。

田原氏 今後とも研究は進めて参ります。その中で、特定の疾病に効くなどの新たな知見や根拠が得られれば検討したいと思います。

―― お忙しい中ご対応頂き、ありがとうございました。

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