「体育の成績は2」だった女優がフルマラソンでサブ4を達成するまで――高山都さん燃え尽きランナー救済計画

ランニングを始めたものの、続けられず挫折してしまった――そんな「燃え尽きランナー」にならないためのコツを探る連載を始めます。一緒にコツを探っていってくれる女優の高山都さんに、まずはお話を伺いました。

» 2015年03月13日 06時00分 公開
[杉本吏ITmedia]
燃え尽きランナー救済計画 ,

 ここ数年、盛り上がりを見せ続けている「ランニング」ブーム。笹川スポーツ財団の調査によると、2012年時点で日本のジョギング・ランニング人口は1000万人を超え、東京マラソンや大阪マラソンといった市民ランナー憧れの大会の“当選倍率”は5倍とも10倍とも言われる。

 その一方で、ランニングを新たに始めた人のうち、1年以上継続できたのは23%に過ぎないというデータもある(日本ランニング協会調べ)。実に8割近いランナーが、ランニングを習慣化できず挫折しているのだ。

 本連載「燃え尽きランナー救済計画」では、こうした挫折を味わわないために我々ができることや気をつけたいポイントをさまざまな専門分野のプロに取材し、誰もが真似しやすい「コツ」という形にしてまとめていく。取材に同行してくれるのは、女優でモデルとしても活躍する高山都(たかやま・みやこ)さん。運動に対してずっと苦手意識を持ちながらも、人生2度目のフルマラソンで3時間42分という好タイムで完走してしまったという経歴の持ち主だ。

 連載初回となる今回は、彼女がランニングを始めてからフルマラソンに挑戦するまでについてお話を伺った。

高山都さん

高山都(たかやま・みやこ)

1982年12月27日生まれ、大阪府出身。女優、モデルとして活動中。出演作に映画『容疑者Xの献身』、ドラマ『ガリレオ』(フジテレビ)、『ROOKIES』(TBS)などがある。プラチナムプロダクション所属。


体育の成績は2 「運動音痴」がハーフマラソンに

――ランニングを始めたきっかけは?

 もともとすごく運動音痴で。小さい頃から体育の成績は2でした。球技なんかをやっても、球にもてあそばれちゃうような感じで。

 でも、母が40歳のときにランニングを始めて、気付いたら大会の「40代女性の部」で1位を取っちゃうくらいのめりこんでいて。ものすごくストイックだったんですよ。そんな母の姿を見て、自分ではその頃は何もやっていませんでしたけど、ランニング自体は“遠くない”スポーツだったんです。

 社会人になってからも特別な運動はしていなかったんですけど、2011年にYahoo!スポーツ(スポーツナビ)さんの企画で、「香川の丸亀ハーフマラソンに出てみませんか?」とお声が掛かりまして。最初はとにかく「21キロ!? ムリムリムリムリ!」って感じでした(笑)。でもやるからには完走したいし、それから徐々にトレーニングを始めました。

――最初からハーフマラソンですか。ちょっと身構えてしまいますね。

 そうなんですよ。21キロっていう距離は、自分には未知だし予測もつかなかった。でも本番までは3カ月あったから、マイペースにコツコツと。当時はコーチにもついていなかったから、とりあえず走る習慣を付けることが大事だと思って、週に何度かゆっくりと4〜5キロを走っていました。

 自分が飽きっぽいことは知っていたので、とりあえず靴だけ買って。でもその後ちゃんとウェアもそろえたら、やっぱり外に出たくなりましたね。音楽も大好きなので、聴きながら。「このアルバム良すぎるな……もう一周!」みたいな感じで楽しんで続けていました。

 走ってみて分かったんですけど、私にはやっぱりごほうびが必要。走った後のビールももちろんそうなんですけど、「梅の花が咲き始めたな」とか、「水たまりがきらきらしてるな」とか、そういう小さなことだって自分にとってはごほうびなんです。

 あとは、周りの人に「きれいになったね」って言われましたね(笑)。走り始めたのは20台の後半になってからですが、そのくらいから身体の衰えを感じ始めるじゃないですか。この衰えをもしかしたらランニングが食いとめてくれるかも? と思いました。母も喜んでくれましたね。

――まずは走る習慣を作ることに成功して。そこから本番まではどうでした?

 練習で走る時間が、最初は15分だったのが20分になって、30分になって。距離も10キロに伸ばした頃から、Yahoo!さんがコーチ(プロトライアスロンコーチの青山剛氏)を紹介してくれて、足に負荷が掛からない走り方や体幹を鍛える方法を教わりました。

 本番はものすごく調子が良かったんです。もともとWebサイトの企画だったから、「ぎりぎりで完走!」みたいな方が良かったのかもしれないけど(笑)、15キロ時点でもにこにこしてる写真が残ってます。コーチには「2時間半を目指してください」って言われてたんですけど、時計も持たずに走って、ゴールして記録を見たら2時間2分。「楽しかった! フルも走りたい!」ってゴールした瞬間にすぐに口に出していたんです。

 それから、8カ月後の第1回大阪マラソンに向けて本格的にトレーニングを始めました。当たり前ですけど、ハーフとフルって全然違うんですね。フル向けの練習は……夏がほんとにつらかった。でも「ここを越えれば楽になる」と思って乗り切って、秋になったらだいぶ身体が軽くなりました。

 大阪マラソン本番は、もともと4時間半を目指してたんですけど、結果は4時間11分。「腹筋で走る」とか「お尻がアクセルになる」とか、コーチに教えてもらったことが生きました。

――どうしてそこまで順調に進んでいけたんでしょう?

 たぶん、「やりすぎないこと」が良かったんだとおもいます。走り始めた最初の頃は、膝を痛めちゃったりした時期もあったんですけど、そういうときは無理せず大人しく。走ることは「エンジンをかける」「スイッチをオンにする」ってイメージで、疲れる前にやめるのがポイントです。もうちょっと走りたいなというときは、休みの前の日に一気に走ったりとか。

 「走ったら食べていい」とか「ベルトの穴を1個縮めたい」とか、ごほうびはやっぱり大事。あとは、もともと運動に苦手意識があって、変なプライドがなかったのも良かったのかもしれません。

「燃え尽きないためのコツ」を探しに

 このあと高山さんは2度目のフルマラソンに挑戦し、4時間切り=サブ4を達成することになる。高山さんからは「やりすぎる前にやめる」「小さなごほうびをたくさん見つける」など続けるためのコツを伺ったが、それ以外にもどうやらポイントがありそうだ。

 本人も気付いていない(?)燃え尽きないためのコツを探しに、「燃え尽きランナー救済計画」、始まります。

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