Apple Watchのビデオガイドを見て深まった疑問
Appleが公開した、Apple Watchの使い方を説明するビデオガイドは、とても興味深い内容です。思わず全編隅から隅まで視聴してしまいましたが、それによって疑問が解けた部分がある一方、新たな疑問もわいてきました。
4月10日午後4時1分から受け付けを開始することが明らかになった「Apple Watch」ですが、予約開始時期の発表とほぼ時を同じくして、Apple Watchの使い方を解説するビデオガイドを公開しました。
現在確認できるのは、Apple Watchの概要と、メッセージの送受信機能、フェイスのカスタマイズ方法、Digital Touchと呼ぶ、圧力を感知するタッチパネルを用いたコミュニケーション機能の4本の映像です。これまで、発表会のデモなどでしか知ることができなかった実際の動作が、公式の映像で確認できるので必見です。
さて、早速その映像を確認してみたのですが、いくつか疑問がわいてきました。Apple Watchが発売されればすぐに確認できる単純な疑問ばかりではありますが、不思議だなと思ったことを挙げておきたいと思います。
歩いているときに画面が付いたりしないのか
メッセージ機能を説明する動画を見ると、Apple Watchの画面は普段は消えていて、腕を上げると画面が点灯し、着信や通知を確認できること、そして腕を下ろすとまた画面が消灯する様子が分かります。おそらくモーションセンサーをうまく活用し、特定の動きや画面の向きなどに合わせて画面のオンとオフを制御しているのでしょう。
でも、腕の上げ下ろしは、Apple Watchを見たいとき以外にも発生しうる動作です。例えば腕を大きく振りながら歩いているときなどに、画面が付いてしまったりしないのでしょうか。また、例えばMacに向かってキーボードを打っているときにApple Watchに通知が来た場合に、普通の人は軽く腕を内側に向けて画面を確認しようとするはずですが、その時に画面が付かなかったりしないのでしょうか。
何が言いたいのかというと、画面のオンとオフが腕の動きで制御されるということは、ユーザーが見たいときに、必ずし画面はつくのか、あるいは見る必要がないときは本当に画面はつかないのかということです。恐らくDigital Crownを押せば必ず画面はつくのでしょうが、Glanceなどを確認したいときに、ボタンを押さずに画面が確認できる点はApple Watchの利点のはずで、何らかの対策は行われていると思いますが、実際にどう制御しているのかはとても気になります。
メールの送信時に「Apple Watchから送信」って付くのか
iPhoneでメールを作成するとき、初期設定では末尾に署名として「iPhoneから送信」という一言が付け加えられることはみなさんご存じでしょう。Apple Watchにも、届いたメールに対して返信をする機能があり、定型文や顔文字、Siriに音声認識させた文字などを送ることができます。Apple Watchで作ったメールの文面に、「Apple Watchから送信」という一言は付くのでしょうか。
Apple Watchの機能は、基本的にはiPhoneのアプリが持つ機能の一部を、Apple Watchの画面に合わせて切り出したようなイメージなので、本体と異なる挙動をすることはあまりないのかもしれません。ですが、最初にメールに「iPhoneから送信」という一言が入るようになったとき、「今はPCのそばにいないから、いろいろ省略して簡潔な文面のメールで送ります、すみません」といったニュアンスを込めることが可能になりました。
それと同じように、メールの文末に「Apple Watchから送信」という一言が加えられれば、取って付けたような返信や、顔文字しか相手に届かなかったとしても、「ああ、今はこういう返事しかできないんだな」と察してもらうことができるかもしれません。よりシンプルなメッセージを送りやすくなるように、ぜひ「Apple Watchから送信」は用意してもらいたいところです。なければたぶん自分で設定します。
Siriに代筆してもらった文面が間違っていたらどうやってなおすのか
同じくメッセージ機能で気になったのが、Siriによる音声認識でメールの本文を作る機能です。キーボードがないApple Watchで、自由に文字の入力ができる、数少ない方法の1つが音声認識です。Siriの音声認識の精度はそこそこ高く、普通に話してもちゃんと日本語の文章を作ってくれるのには驚かされます。
ですが、Siriも完璧ではありません。たまにうまく認識できなくて違う言葉になったり、人名の漢字を間違えたりすることは当然あります。そんな小さな間違いが起きてしまったとき、Apple Watch上で修正する方法はあるのでしょうか。
もしかしたら、やり直してもう一度音声を認識させるか、iPhoneで修正するくらいしか方法はないのかもしれませんが、どういう対応になるのか気になるところです。
アイコンの押し間違いはないのか
Apple Watchのさまざまな機能を呼び出すアイコンは、小指のツメくらいの大きさです。デモや紹介映像では、何の苦もなく目的のアイコンをタップしてさっとアプリを起動している様子しか見えませんが、こんな小さな面積を正確に人さし指でタップできるのでしょうか。
短時間しか触れませんでしたが、実機を触ったときの印象では、指が触ったところではなく、“人が触ったと思っているところ”を判定してタップとして認識しているように感じました。そのためあまり違和感なく操作ができました。ですが、それでも自分が考えていたのとは異なるアイコンをタップしてしまう可能性はあるように思います。実際の使い勝手に深く関わる部分なので、相当なチューニングが施されていると思いますが、実機の操作感は試着の際に入念に確認したいポイントです。
「相手がApple Watchを持っているか」はどうやって分かるのか
Digital Touchは、Apple Watch独自のコミュニケーション機能ですが、相手もApple Watchでなくては手書きメッセージや心拍などを送ることができません。ビデオガイドによると、相手がApple Watchを持っている場合、それと分かるアイコンが画面上に表示され、その人にのみDigital Touchを用いたメッセージが送れるとか。でもどうやって相手がApple Watchユーザーだと分かるのでしょうか。
ヒントは、FaceTimeの機能にありそうです。iPhoneのアドレス帳には「FaceTime」の項目が現れる人と現れない人がいます。現れる人はiPhoneユーザーで、現れない人はのほかのスマホのユーザーだと考えられます。Apple IDなどで電話番号を紐付けて認識をしていて、クラウド上で参照していたりするのかもしれません。
もしAppleがApple Watchユーザーを認識していて、アドレス帳にそのステータスが自動的に出現するのだとしたら、内緒で買ったApple Watchの存在がうっかりばれてしまう、なんてことも起こり得ます。仲間が探しやすい半面、思わぬ弊害もありそうです。
さて、読者の皆さんは、ビデオガイドを見てどんな疑問を抱いたでしょうか。発売後はなるべく細かな疑問にもお答えしていけたらと思っていますが、まずはぜひ動画をチェックしてみてください。
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