Apple Watch 使い方の"全貌"にユーザーは気付けるか 「長押し」に感じる不安
Apple Watchの操作を説明する「ビデオガイド」が公開され、細かな操作方法が分かってきました。それを見て気になったのが、「長押し」をよく使っているという点です。
4月6日にAppleのWebサイトで公開された、Apple Watchの使い方を解説したビデオガイドは、まだApple Watchを見たことがない人に向けて、さまざまな機能を丁寧な動画で説明しています。それを見て予習しておくと、購入後すぐにいろいろな機能を使い始められる、という狙いのようです。
現在公開されているのは、全10本(と思われる)の機能説明動画のうちの4本。「Apple Watchへようこそ」「メッセージ」「文字盤」「Digital Touch」が視聴できます。このほかに、近日公開とされているのが「電話」「Siri」「マップ」「ミュージック」「アクティビティ」「ワークアウト」の6本です。ちなみに米国では「Apple Pay」の動画も予定にあるのですが、日本ではまだ導入されていないせいか映像の公開予定はないようです。
さて、公開されたこれらの動画を見て、気になったことはすでに1回記事にしていますが、その後何度か動画を確認していたところ、見過ごせないポイントに気付きました。それは、画面を数秒間タッチし続ける「長押し」をするシーンがいくつか見られたことです(ビデオガイドでは「強めに押す」と言っています)。
長押しの何が問題なのでしょうか。それは、「知っていないと使えない」操作だからです。
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「長押し」の機能には気付かない人がいる
普段からスマートフォンを使いこなし、タッチパネルの操作にも違和感を持っていない人は意識したことがないかもしれませんが、長押しという操作は、意図してやらないとできないものです。「ここで長押しをするとこうなる」という知識がないと、長押し操作をすることがないため、ユーザーが、機能があること自体に気付かないケースもあります。通常のタッチ操作のように、思わず触れてしまってその機能があることに気付く、ということがほぼないからです。
例えばiPhoneアプリのアイコンの並び替えやフォルダ分け、削除の操作も、アイコンをしばらく長押ししてから行いますが、この操作を知らず、ホーム画面がアイコンで埋まってしまった、といった笑えない話もあります。文字列のコピー&ペーストの機能も長押しの操作のため、それができることに気付かない人もいます。
Apple Watchのユーザーは、全員がiPhoneユーザー(のはず)ですから、長押しの操作には慣れている、と考えることもできるでしょう。でも、マニュアルを読まなくても、直感的に操作できる点が魅力のApple製品が、あまり直感的とはいえない長押し操作を多用する点には、不安を感じます。
「Taptic Engine」が長押し操作を使いやすくする?
映像で見たところ、例えばメッセージの新規作成やフラグ付け、削除、文字盤のカスタマイズなどの操作で、長押し操作を採用しているようです。また、Siriを呼び出す際には、iPhoneでホームボタンを長押しするように、Digital Crownを長押しするようです(Siriは「ヘイ、Siri!」と話しかけても呼び出せます)。
ボタンが少ないApple Watchでいろいろな操作をさせようと思うと、どうしても長押しに機能を割り当てざるを得ないシーンが多いのかもしれません。Apple以外の開発者が作るアプリにも、こうした長押し操作が採用される可能性はあります。
前述のとおり、映像では「感圧タッチという新しいテクノロジーを利用して」「強めに押す」と説明しているので、ユーザーに感覚をフィードバックする「Taptic Engine」によって、今までと違う感覚を与え、従来の長押しよりは分かりやすく押す操作になっているのかもしれません。実際、感圧タッチに対応している最新のMacBook ProやMacBookに採用されたトラックパッドは、実際は上下に動いていないのに、Taptic Engineにより、まるでクリックしたかのような感覚をユーザーに与えます。
とはいえ、重要な機能で長押しをさせるものがいくつかあるのは事実です。果たしてユーザーはその機能に気付き、快適に使えるのか、気になるところです。
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