便利じゃなければ普及しない――Misfit Wearablesの“日本の攻め方”(2/2 ページ)

» 2015年07月16日 12時30分 公開
[園部修ITmedia]
前のページへ 1|2       
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

―― それは「Apple Watch」のようなスマートウォッチになっていくということですか。

Sonny Vu Misfit Wearables CEOのソニー・ヴー氏

ヴー氏 Apple Watchとはちょっと違いますね。Apple Watchは価格も高いですし、あそこまで深く連携するものを想定しているわけではありません。もっとシンプルなものです。MISFIT SHINEやFLASHは、今もアップルストアで販売されていますから、Appleも競合だとは思っていないでしょう。

 コントロールと合わせて今注目しているのは、安全と個人認証です。例えばPCのパスワード入力やドアの鍵の開閉、決済なども含まれると思います。NFCはおそらく向こう2年くらいで多くのウェアラブルデバイスに搭載されていくでしょう。

 活動量計のようなウェアラブルデバイスは、ユーザーに「使って便利」「使いたい」と思ってもらえることが普及には大切だと思います。そのための準備を進めています。

日本の皆保険制度は普及のハードルにはならない?

―― 日本で活動量計が普及しない理由の1つに、皆保険制度があるといわれています。国民健康保険や社会保険によって、日本では健康に気を付けるより、何かあったら病院に行けばいい、という意識を持った人が多い。一方で、米国では医療保険は各自が契約するので、保険料を安く抑えるためにも、自分で健康に気を付けたり、保険会社も出費を抑えるために、さまざまな健康維持のためのプログラムを用意していたりします。そういった意識の違いが、普及のペースの違いを生んでいる、あるいは日本での関心の低さにつながっているようにも思うのですが、こうした日本市場をどうご覧になっていますか?

ヴー氏 人々がなぜフィットネスに関心を持つと思いますか? 私は、保険料のためや、健康で長生きしたいから、という理由ではないと考えています。理由は簡単です。多くの人は「かっこよくなりたい」というモチベーションでフィットネスに取り組んでいます。そういう意味では、日本でももっと「かっこよくなりたい」という意識を持つ人を増やせればいいのではないかと思います。

―― では何がブレイクスルーになると思いますか?

ヴー氏 1つ言えるのは、有名な人が目立つ場所で使っていたら、流行する可能性があるということ。実際に米国ではそうでした。そのほかには、やはり繰り返しになりますが本当に便利だとユーザーに思ってもらうことが重要です。そのために、セルフィーが撮りやすいリモートシャッター機能などはいいと思っています。

 コミュニティの存在も大きいと考えています。現状の活動量計の多くは、フィットネスや健康がテーマのコミュニティができていますが、コントロール機能などについてのコミュニティが、健康系とは別に出来上がってくるととてもパワフルだと思います。例えばAPIを使ってアプリを作ったり、新しい使い方を提案できるようなコミュニティです。

 普及促進に向けて、ベストなマーケターはやはりユーザー自身ではないでしょうか。便利で楽しい機能を提供し、ユーザーに選んでもらって、そこから普及を図ることになると思います。

ユーザーのモチベーション維持にはソーシャルなつながり

―― 普及に向けての課題に加えて、一度購入してもらったユーザーには、今度は継続利用してもらうというハードルがあると思います。MISFIT SHINEやFLASHでは、どんな継続のための取り組みを取り入れていますか?

ヴー氏 ユーザーのモチベーションを維持するための重要な仕組みは、ソーシャルなネットワークだと思います。MISFITの連携アプリには、友達を登録する機能があり、友達がどれくらい運動しているかが共有されています。自分が誰かに抜かされると通知が来るようなしくみもあり、それが継続やモチベーションの向上につながっていると思います。

 友達がいる人の方が、いない人よりもよく運動しているかどうか、という統計的なデータは今は持っていませんが、そういう傾向はあると思います。

―― どうもありがとうございました。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  2. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  3. しぶとい雑草“ドクダミ”を生やさない超簡単な方法が115万再生! 除草剤を使わない画期的な対策に「スゴイ発見」
  4. 天井裏から変な音がする→スマホを突っ込んで撮影したら…… 映った“とんでもねぇ”モノに「恐ろしい」「何これ」と騒然の196万表示!
  5. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  6. 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  7. 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  8. 顔の半分は童顔メイク、もう半分の仕上がりに驚がく 同一人物と思えない半顔メイクが860万再生「凄いねメイクの力」
  9. 元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
  10. スーパーで買ったレモンの種が1年後…… まさかの結果が635万再生「さっそくやってみます」「すごーい!」「手品みたい」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
  2. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  3. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  4. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  5. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  8. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  9. 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
  10. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評