Apple Watchをより魅力的にする、日米合作の「ウーブンナイロン」バンド“ウェアラブル”の今

Apple Watchと組み合わせられるバンドが続々と増えている。中でも注目なのが、軽量で価格も手ごろな「ウーブンナイロン」のバンド。取材と実際の使用を通して見えてきたウーブンナイロンバンドの秘密に迫る。

» 2016年04月23日 10時00分 公開
[松村太郎ITmedia]

 Appleは3月21日の発表会で、新たな「Apple Watch」の本体ではなく、新しいバンドをリリースした。新しい色のレザーバンド、スペースブラックのミラネーゼループ、そして新素材となるウーブンナイロンだ。ウーブンナイロンは、米国の糸を日本の技術で編んだ、日米合作の新作だ。

 加えて、4月19日からは、Apple Watch Hermesのレザーバンドに新色が追加された。オレンジ色のフー、白、青緑のブルー・パン、紺色のブルー・サフィールが新色となる。、バンドの単体販売もスタートした。価格は、「シンプルトゥール」は4万5000円、「ドゥヴルトゥール」は6万5000円、しっかりとしたブレスレットデザインの「カフ」は8万7000円だ(※価格はすべて税別)。バンドはApple Watchの各モデルに装着可能だが、専用の文字盤はApple Watch Hermesを購入しなければ利用できないままだ。

 前々回の記事で触れたが、AppleはApple Watchをテクノロジーとしてではなく、ファッションの文脈で発展させようとしている。Apple Watchについては、2016年中に新作が発表される可能性もあると考えているが、それ以上にAppleが強調しているのは、バンドを変えながら毎日楽しみながら着けてもらうことだ。

 Apple Watchを購入する際、値下げされたApple Watch Sportを購入して、バンドを追加するという楽しみ方が合理的だと思う。

ウーヴンナイロンバンド 新登場のウーヴンナイロンバンド

新作のウーブンナイロンバンド

 Apple Watchの魅力を間違いなく高めるだろうと思うのは、シリコンバンドと同じ、最も安い価格に設定されたウーブンナイロンバンドだ。そのため、あらかじめウーブンナイロンバンドを組み合わせて販売されるApple Watchも、シリコンバンドとの組み合わせと同じ価格で販売される。

 ウーブンナイロンバンドとApple Watch Sport 38mmケースの組み合わせは3万6800円、42mmケースで4万2800円。ウーブンナイロンとステンレススチールのApple Watchの組み合わせは38mmケースで6万6800円、42mmケースで7万1800円だ。

 まずApple Watch Sportとウーブンナイロンバンドの組み合わせは、38mmシルバーとピンク、42mmシルバーアルミニウムとスキューバブルー、38mm・42mmのローズゴールドとロイヤルブルー、38mmゴールドとゴールド/レッド、42mmゴールドとゴールド/ロイヤルブルー、38mm・42mmスペースグレーとブラックが用意される。

 ローズゴールド、ゴールド、スペースグレーとナイロンバンドの組み合わせを選択すると、バックルは単なるシルバーではなく、ボディーカラーと同じ色のものになるのがポイントだ。

ウーヴンナイロンバンド ローズゴールド、ゴールド、スペースグレーのApple Watch Sportとセットで販売されるバンドは、単体販売される者と違い、ボディーと同じ色のバックルが付く

 また、ステンレススチールのApple Watchでは、38mm、42mmともに白系のパールの組み合わせが用意されている。

 これら7種類のウーブンナイロンバンドは単体販売も行われ、38mm用、42mm用それぞれ5800円となる。

繊細な表情を楽しむ

 Apple Watch Sportとウーブンナイロンバンドの組み合わせは、値下げも相まって、Apple Watchを広める静かな原動力になると考えている。どちらかというと価格以上に「高級品」のイメージがあったApple Watchに対して、より軽快でカジュアルな雰囲気を作り出しているからだ。

 この新しいバンドは、米国のナイロンの糸を、日本のメーカーとともに開発した専用の織機で編み上げた製品だ。

 Appleの担当者は時計のバンドと素材、加工技術に精通しており、日本のメーカーとの交渉でも、非常に専門的に生産技術についての議論が進んだという。新たな生産機械の制作や高い精度のデザインは、軽い素材ながら、非常に楽しみのあるものに仕上がった。

 ウーブンナイロンバンドをマクロレンズで撮影した写真を見ると、4層、500本以上の糸を編み上げ、繊細かつ立体的な模様を作り出している様子が伝わるのではないだろうか。これでいて、シリコンバンドと同じ価格を実現している。

ウーヴンナイロンバンド ウーヴンナイロンバンドを接写

 細かい部分にも気配りが絶えない。例えば、バックルで留めて余ったバンドをとめる遊革と呼ばれるパーツの模様は、バンドのそれとピタリと一致しており、少しのズレもない。

筆者が気に入ったゴールド/レッドウーブンナイロンバンドは、表側はゴールドの地にレッドのウェーブが流れるデザインだが、裏側はウェーブの色が紺色になっている。ちょっとした楽しみがちりばめられている、とてもユニークなバンドだと言える。

常用バンドとして快適なウーブンナイロン、3つの理由

 前述の通り、バンドを変えながら楽しむ前提であれば、常用バンドを選ぶ必要はないと思う。とはいえ、ウーブンナイロンバンドを手に入れてみて、他のどのバンドよりも快適に使用できるようになった点は、少し驚きがあった。これからApple Watchを購入するのであれば、このバンドを選ぶことをおすすめしたい。

 まず、1つ目の理由は、その軽さだ。手元のはかりで比べると、シリコンのスポーツバンドは約30gであるのに対し、ウーブンナイロンバンドは約12gだった。バンド部分で半分以下の重さになり、Apple Watch Sport 42mmと組み合わせると42gまで軽量化される。

 筆者はステンレススチールのApple Watch 42mmモデルとシリコンのバンドを使ってきたが、ケースがより重たくても、時計そのものがぐっと軽くなることが体験できる。やはり軽い時計の方が、常に着けているなら快適だと感じていたため、この軽量化はうれしい。

 2つ目の理由は、通気性の良さだ。やはりシリコンバンドとの比較になるが、ウォーキングやテニスをする際、どうしても時計回りにじっとり汗を感じる。心拍計測のために密着しているケースの裏の部分は諦めるしかないが、ウーブンナイロンバンドはシリコンバンドのべったり感が軽減される。

 3つ目は、通常のバックルが採用されているため、筆者にとっては装着しやすい点だ。ミラネーゼループ、レザーループ、そしてシリコンバンドと、バンドのデザインにも特色があった。ウーブンナイロンのバンドは、通常のバックルが採用されており、時計に慣れた人にとっては、装着しやすい。

 軽く柔軟性のある生地であることから、きつくならないようぴったりと装着しても、1週間程度で常用するバックルのホール回りはゆがんでくる。今後、どれくらいの耐久性があるのか、使いながら見ていこうと思う。

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