「飲み会が苦手な人見知り」がぼっちで食事を満喫する方法人見知りの達人(3/4 ページ)

» 2017年02月04日 06時00分 公開
[中山順司ITmedia]

 お酒は飲めないにもかかわらず、焼鳥とホルモン串が好きな筆者は、「一人で焼き鳥屋に入ってみたい」という欲望があった。飲み会で訪れることはあっても、一人だとものすごくハードルが高い。お酒を注文できない引け目があるので、堂々と入店できないのだ。

 なぜ一人で入店したいか? 理由は「自分が食べたいメニューを注文できる」から。団体だと盛り合わせになってしまい、好きでもないモノを食べなくてはいけない。ししとうには興味がないのに、それが回ってきてしまうこともある。

 それと、自分は焼き鳥に対するこだわりは薄い方だが、それでも肉を串から抜いてバラバラのパーツにしてしまうのは「もはや焼き鳥ではないのでは……」と感じる派。何の肉を食べているのか分からなくなってしまう。

ついに、単独で焼き鳥屋に足を踏み入れる!

 最近では、居酒屋の店頭に「お一人様でもOK」とか「お食事だけでも歓迎です」という表示を見かける機会が増えた。飲めない人も取り込もうという意図だと思うのだが、自意識過剰な人見知りとしては、「わ、本当に来た。こういうサインを見て、ノコノコ入店する人なんだ」と店員に思われるのがシャクで、あえてそういうお店は選ばないでいた。

 しかし、一昨年の2015年の夏、「このままではイカン! 焼き鳥店に一人で入る勇気くらいなくてどうする!」と己を奮い立たせ、単独潜入を決意。前日の晩から「オレはやるぞ……」と心を整え、かねてより標的に定めていた、カウンターメインの小さめの焼きトン屋に入ってみた。

 やってみた感想だが、「快適!」である。なんでいままでしなかったんだろう。誰とも会話する必要のなく、興味のない会話に笑顔で相づちを打たずに済み、好きな串だけ頼み、無言&マイペースで文庫本を読むことができる。ちなみに飲み物はウーロン茶。

 手持ち無沙汰になって、グラスの水滴をオシボリで拭く作業も発生しない。1つだけ残ったから揚げに手を出してよいかどうか迷う必要もない。割の合わないワリカン代金に首を傾げることもない。完全なるフリーダムがここにはあった。

 というわけで、2カ月に1回くらいの頻度で、一人居酒屋を実践しています。

ひと駅移動して、ニアミスを防げ

 ただし、重要な注意点があって、社内の人に見られると相当かっこ悪い。ボッチランチの比ではない。昼時であればまだ格好がつくが、夜の一人はかなりダサい(ような気がする)。

 よって、一駅か二駅外してニアミスを防止している。定期券経路であれば、途中下車もし放題なので、それを利用しない手はない。しかも、ふだん利用しない駅周辺のほうが、見知らぬ店を発見できる楽しさがある。

 一人居酒屋の楽しさの1つが、隣のテーブルの会話をBGMにできること。上層部へのグチ、同僚の悪口やウワサ話は、部外者として聞くぶんには、気楽でよろしい。意見や同意を求められることもない。相づちも不要。

 余談だが、酔っぱらうと人は声が大きくなるのだろうか。あるいは、騒々しい店内の喧騒(けんそう)に負けないよう声を張り上げてしまうものなのだろうか。隣の会話って、こっちが聞き耳をたてなくても、びっくりするくらい丸聞こえ。(こっちはボッチで誰とも話していないから余計そう感じるのかもしれない)

 取引先の悪口はさすがに「ちょ、社名出てますよ……やめておいたほうが……」と思うが、赤の他人がそれを指摘するわけにもいかず、もやもやする。くれぐれも、個人情報や社外秘情報をつい口を滑らせてしまわないよう、注意しなければなと、一人居酒屋をしていると思わされる。

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