第29回 想像以上に面白い、Apple Watchのバンド交換“ウェアラブル”の今

Apple Watchに対応したサードパーティーベンダー製のバンドが発売されたので、早速手に入れてみた。Apple純正と比べると少し質感は劣るが、バンドを交換する楽しさが手軽に味わえる。

» 2015年05月17日 06時15分 公開
[松村太郎ITmedia]
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Apple Watch Band by Monowear Monowearのブラックレザーバンドのセット。持っているApple Watchのカラーに合わせて、アダプター部分の仕上げが選択できる。筆者は、ステンレススチールケースに合わせて、シルバーの磨きをチョイスした

 Apple Watchを使い始めて、もうすぐ1カ月になろうとしている。

 ほぼ欠かさず毎日充電し、朝装着して1日を過ごし、夜寝るときに外して充電する。そんなサイクルも板についてきた。朝起きてすぐに着けたいのは、アクティビティのトラッキングのため。

 できれば1歩も無駄にしたくない、という“もったいない精神”の表れではあるが、それならもう1ブロック余計に歩く方に神経を使った方がいいだろう。1日のアクティビティによる消費を500キロカロリーに設定し、達成したりしなかったりしている。

 達成するとApple Watch上で知らせてくれるのだが、その日の進ちょくを常にチェックできるため、夜少し歩いておこうかな? というオプションを選択する日も出てきた。行動が少しずつ変わっているということだろう。

ミラネーゼループはやはりよかった

 正直なところ、Apple Watchのバンドはミラネーゼループを選んでよかった、という感想がある。穴で長さを調節する革やシリコンなどのバンドに比べて、薄く、しなやかで、自由に長さを調節できる。すこししっかりと締めて装着するApple Watchにぴったりなバンドといえる。

 また、水に濡れてもあまり気にならず、水切れもよい。もちろん本体の心配をする必要があるが、「デジタルクラウンの回転がスムーズでなくなったら、流水に10〜15秒さらすように」というサポート情報もあるぐらいなので、さほど神経質にならなくてもよさそうだ。

 一方で、やっぱりどうしても「磁石」で止めるというのが引っかかる。何というか、バックルよりも、磁石というのがどうしても「低い質感」という個人的感覚にとらわれているのが悪いのだと思うが、どうしてもベルクロテープ(面ファスナー)と同じようなイメージ、というと伝わるだろうか。

 また、磁石が仕込まれている先端部分はステンレスの平面になっていて、アルミニウム製のMacBookでタイピングしているとすぐに傷が付く。Macが相手でなくても、手首は机に置いたり何かとものに当たることも多いため、気を付けていてもすり傷ができてくる。そして本体の傷よりも少し目立つので、注意が必要だ。

Monowear製の交換バンドコレクションを購入

 Apple Watchが発表されて、多くの人々が思い浮かべたのが「交換バンドが充実するだろう」ということ。発表直後から、Kickstarterなどのクラウドファンディングに、Apple Watchの交換バンドが掲出されるようになった。発売が決まってからは、その勢いはより強くなっている。

 そこで、いち早くKickStarterにプロジェクトを立ち上げた交換バンドのブランド、Monowearの黒い革のバンドを、早速取り寄せてみた。Monowearは、かなり早い段階でApple Watchのバンドのアダプターを再現し、本体に直接装着できるバンドを開発しているメーカーだ。

 Apple純正のバンドは、バンドとアダプターが一体型になっているものも多いが、Monowearはアダプターを自分たちで作っており、多彩なバンドが使えるのが魅力だ。アダプターはアルミ、ステンレス、ブラックの3色を用意して、Apple WatchとApple Watch Sportの各モデルに対応する。

 バンドには、レザー、メタル、そしてナイロンの3種類の材質を用意し、さまざまな色やデザインを取りそろえている。例えば純正のリンクブレスレットは5万円を超える精巧な仕組みを備えたものだが、Monowearでは非常にスタンダードなメタルバンドをおよそ1万2000円でオーダーできる。

Apple WatchのラグとMonowearのラグ Apple純正のミラネーゼループのラグとMonowearのアダプター部分の比較。Monowearのメタルバンド向けは、ピンで留めるタイプのアダプターが用意されている。このアダプター部分だけが流通しても、既存の腕時計のバンド資産を生かすことができる可能性がある

黒い革のバンドをApple Watchに付けてみる

 筆者はMonowearの黒いレザーバンドをKickstarter経由で取り寄せた。通常の販売価格はおよそ9500円で、純正のレザーバンドよりも8000円ほど安い。アダプターは、Apple Watch本体に合わせて、シルバーの磨きのものを選んでみた。

 ミラネーゼループを取り外し、Monowearのアダプターを装着してみる。特に違和感なく装着することができ、腕に巻いてみることにした。届いた革は厚手でピンとまっすぐに張っており、固くてまだ馴染んでいない。少しきつめに装着して様子を見ることに。

 装着してみると、当たり前の話ながら、特にこれといった違和感はなく、腕を振っても、アダプターがApple Watchから抜けてしまうこともなかった。心拍センサーもきちんと動作しており、大きな問題はなさそうだ。

 Monowearのレザーバンドは、非常にシンプルな作りであることから、バックルやアダプター周りの処理、そして無骨で分厚く固い革の感触が、Apple純正のレザーバンドシリーズに比べると安っぽい印象は否めない。

Apple Watch Band by Monowear Apple WatchにMonowearのバンドを装着してみた。特に問題なく、普通の時計のように腕に着けることができた。ただ、Appleのレザーバンドの質感に比べると、分厚く、固い革らしい素朴さが残っている。使いながら育てていくのも楽しみだ

 しかし、割とバンドは「何でもいい」ということも分かった。もちろんAppleはトータルデザインでバンドのコレクションを用意しているが、時計のバンド自体はさほど難しいものではなく、自由度の高いパーツである、ということだ。

バンドで発揮する個性とApple Watchのエコシステム

 レザーバンドは、少しフォーマルな服装をするときに使うことにして、普段はミラネーゼループに戻した。大きな理由は日常生活における水濡れを避けるためだが、折を見ながら付け替えて、革を柔らかくしていくことも必要だろう。

 Monowearのシリーズでは、ナイロン素材のバンドも面白そうだ。少し布のような雰囲気に仕上げてあり、Apple純正のスポーツバンドよりも馴染みやすいのではないだろうか。

 Monowearのバンドはまだ手元に2本しかないが、バンドを交換しながら時計を毎日使う、といのは想像していた以上に楽しい経験だった。腕時計は何本か持っているが、これまではバンドも含めてそのまま使うに留まっていたからだ。

 ワンタッチでバンドを取り外せる簡単さから、Apple Watchは「バンドのエコシステム」による発展の可能性を担保しているように思う。実際、Apple自身も、バンドの仕様を公開しており、サードパーティのバンド開発を奨励する方向に舵を切ったようだ。

 iPhoneがケースやバッテリーなどでエコシステムを作ったのに比べると、Apple Watchのそれはさほど充実しないかもしれない。

 Apple Watchの弱点の1つはバッテリーの持続性だが、Appleは心拍センサーの正しい動作を理由に、充電しながら利用できるバンドは認めないようだ。また、ケースといっても、小さな時計の装着感を損なわずにアレンジするには限度がある。

 ただ、Apple Watch向けのバンドは、充実の余地がある。ブランドやデザイン、素材、新たな機能性など、まだまだその可能性はあるはずだ。

 筆者の幼少期は、まだ腕時計が「大人らしさの象徴」だった頃だが、スポーツウォッチのバンドにコンパスを付けたり、カレンダーを装着したり、時計のバンドにも機能や情報を追加する様子を見てきている。

 もちろんカレンダーはApple Watchにも入っているので不要だが、バンドに機能を追加する世界も面白そうだ。例えば、Suicaのチップが入っていても便利かもしれない。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2405/01/news138.jpg イオンモールで販売「シフォンケーキ」にカビ発生、5000個回収へ “下痢”の報告で調査中……出店企業が謝罪
  2. /nl/articles/2402/21/news158.jpg 業務スーパーの“高コスパ”人気冷凍商品に「基準値超え添加物」 約1万5000個販売……自主回収を実施
  3. /nl/articles/2405/01/news092.jpg “スケスケ成人式コーデ”が物議のモデル、「3度見される服」を披露 「コレは見ちゃうわ」「洗っても大丈夫なのか」の声
  4. /nl/articles/2405/01/news095.jpg 秋元康、AKB48卒業の柏木由紀に送った手紙が物議 “冒頭の一文”に「昭和丸出し」「嫌すぎる」
  5. /nl/articles/2405/01/news013.jpg IKEAの新作カーテンが「家中これにしたい」ほどすてき!→どうやって付けているの? 垢抜けインテリア術に視線集中「すっごいかわいい」「色味が最高」
  6. /nl/articles/2405/01/news093.jpg 500円玉が1つ入る「桔梗のお花ケース」が100万件表示超え! 折り紙1枚で作れる簡単さに「お小遣いあげるときに便利」「美しい〜!」
  7. /nl/articles/2404/30/news015.jpg 【今日の計算】「500×99」を計算せよ
  8. /nl/articles/2404/30/news165.jpg 「これは変態だ」 職人が“鉄の塊”から作った「はぐれメタル」がガチすぎる 狂気の手作業に驚き「いかれてるw」
  9. /nl/articles/2405/01/news104.jpg 「そっち使うの?!」「これは天才」 さびだらけの鉄くぎをぐつぐつ煮込むと……? DIYに役立つ“まさかの使い道”が200万再生
  10. /nl/articles/2405/02/news013.jpg 2歳娘、自分のバースデーフォトをセルフタイマーで…… プロ顔負けの仕上がりに「すごーーーーーーー!!」「天才すぎます」と称賛の声
先週の総合アクセスTOP10
  1. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  2. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  3. しぶとい雑草“ドクダミ”を生やさない超簡単な方法が115万再生! 除草剤を使わない画期的な対策に「スゴイ発見」
  4. 天井裏から変な音がする→スマホを突っ込んで撮影したら…… 映った“とんでもねぇ”モノに「恐ろしい」「何これ」と騒然の196万表示!
  5. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  6. 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  7. 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  8. 顔の半分は童顔メイク、もう半分の仕上がりに驚がく 同一人物と思えない半顔メイクが860万再生「凄いねメイクの力」
  9. 元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
  10. スーパーで買ったレモンの種が1年後…… まさかの結果が635万再生「さっそくやってみます」「すごーい!」「手品みたい」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
  2. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  3. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  4. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  5. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  8. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  9. 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
  10. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評