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第14回 「Apple Watch」の発売に向けて、準備を進めるApple“ウェアラブル”の今(1/2 ページ)

1月27日に開催された決算会見で、「4月発売」が予告されたApple Watch。その存在は、Apple Storeのあり方やiPhoneの使い方にも変化をもたらすと考えられる。

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Apple Watch
Apple Watch

 Appleは米国時間1月27日、2015年第1四半期決算を発表した。売上高746億ドルという過去最高の数字となり、多くのアナリストの予測を大きく上回る結果となった。

 この好決算を牽引したのは、これまで通りiPhone。7447万台の売上は前年同期比で46%の増加となった。iPhoneに対する高いロイヤリティでリピーターを多く確保できている上、今回は画面サイズを拡大し、Androidスマートフォンユーザーからシェアを奪ったことも売上を押し上げた要因となる。

 Appleにとって、特に最新のiPhoneの売り上げが増えることは、2015年に新たに立ち上げるビジネスである「Apple Watch」にとって、非常に重要なことだった。

 ご存じの通り、Apple WatchはiPhoneと組み合わせて動作するデバイスであり、市場で使われているiPhoneのアクティブな数が、Apple Watchのマーケットサイズになるからだ。

 2015年第2四半期の決算でも、今や米国よりもiPhoneの販売数が多くなった中国のホリデーシーズンを迎え、こちらも前年同期比で最高となる6000万台という予測も出されている。Apple Watchの立ち上げにとって「万全」の市場環境にセットアップすることができたと言って良いだろう。

決算発表の質疑応答でティム・クックCEOは、Apple Watchについて、「4月に出荷する」と発表した。「2015年早期」という約束を意識しているが、決算期で言うと、2015年第2四半期には、Apple Watchの販売数は含まれないことになりそうだ。

Apple WatchはApple Storeを変える

 さて、米国のテクノロジーメディア、特にApple系のWebサイトではApple Watchについて、血眼で話題を集めている。

 例えば、Vogueの編集長、スージー・メンケス(Suzy Menkes)氏のInstagramには、3週間前にApple Watchを腕に装着した写真が投稿されており、フィールドテストが行われている様子が確認されている。

Apple Watch
Vogueの編集長、スージー・メンケス(Suzy Menkes)氏のInstagramに投稿されたApple Watchの写真

 もっとも2014年9月9日にiPhoneを発表したイベントでも、Apple Watchは展示されており、すでに製品の形や色、仕様についてはある程度明らかになっているため、注目は、どのように、どこで、いくらで販売されるのか、ということだろう。

 その手がかりをつかんだメディアがいくつかあるので紹介しておこう。

 9to5Macは、Apple Watchのゴールド(Edition)モデルについて、宝石店のように扱うと指摘している

 Apple Watchは349ドルからという価格が示されているが、18金を使ったApple Watch Editionについては1000ドル以上(約12万円)という価格が設定されるのではないか、と予測されている。そのためか、Apple Storeでは金庫を設置して管理する手法がとられるというのだ。

 もちろん、iPhone 6 Plus 128GBモデルも10万円ほどになるし、Macにはより高い製品もある。そのためオペレーションとしてのこだわりや、Storeで働く店員の意識にも作用する側面がある。宝飾店のような接客へと寄せていく流れは、小売り担当役員をバーバリーから引き抜いている点からも納得できる。

対応アプリは2月12日までに登録

 MacRumorsによると、Appleは一部のアプリ開発者に対して、Apple Watchをサポートするアプリを、App Storeに2月12日までに登録するように求めているという。

 Apple Watchについては2014年11月に、開発者向けのWatchKitが公開され、既存のiPhoneアプリの通知や機能を、どのようにApple Watch上で連携させるのか、という方法が明らかになった。

 非常に簡単に言えば、iPhoneの通知センター部分をApple Watchに表示させる、という考え方に近い。例えばFacebookやTwitterでアクションがあると、通知が届く。これがiPhoneの画面だけでなく、Apple Watchの画面だけで確認できるようになるということだ。また、メッセージなどのアプリでは、通知から直接返信を行うことができる。これもApple Watchで実現可能だ。

 こうした、「iPhoneと連携して便利に使う」部分から、Apple Watchの便利さを体験することになるはずだが、もちろんApple Watch単体で動作するアプリも作ることができる。

 今回Appleが2月12日までにアプリを登録するよう求めたことから、このスケジュールの1週間後以降のタイミングで、AppleがApple Watchに関する何らかの発表やデモが行われる可能性も考えられる。

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