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インタビュー

なぜお菓子メーカーは“変な味”を出し続けるのか? 攻める老舗3社に聞いてみたガリガリ君だけじゃない(3/3 ページ)

湖池屋、やおきん、赤城乳業に聞いてみた。

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赤城乳業広報 「食べ物で遊ぶな」などネット上で多くの声をいただくこともあります。それに対して、ネットでは評判が微妙でも「私はおいしいと思った」と意見をくれるお客様もいらっしゃいます。

―― テレビや他メディアではナポリタン味は数億円の赤字、という情報もありましたが……変な味の商品、他の定番商品と比べて実際のところ売上はどうですか?

赤城乳業広報 ガリガリ君のコンポタージュ味は売れましたね。コンポタージュを100点とするなら、シチュー味は60点、ナポリタンはシチューより低いかな……と。

ガリガリ君の梨味が恋しい

―― ナポリタン味の他にはどんな味の商品が出る予定だったのですか? 失敗談やボツ案も知りたいです。

赤城乳業広報 ナポリタンの次は「ダシ味」の企画があり、こちらは夏に冷たい味噌汁のように味わってもらうことを視野に企画を進めていました。

―― ダシ味を消費者が手に入れる日は来るのでしょうか?

赤城乳業広報 ナポリタン味の在庫が多く、いったんストップしています。ちょっとどうなるか分からないですね。すみません。

―― 残念です。

赤城乳業広報 「塩らーめん」が流行った2000年頃に「塩味」を出す企画もありました。「流行にのっていけるか?」と思ったのですが、流行もすぐに終わってしまい、会社の事情でボツになりました。

―― ガリガリ君「梨味」など人気になった商品はずっと置いてほしいという声もありますよね、それについてどう思いますか?

赤城乳業広報 梨味の通年化の要望は多いです。人気があるのも承知しています。しかし、会社としては「梨を一番おいしいと思える季節に食べてもらいたい」という意図があり、申し訳ないのですが、これからも夏の期間限定で発売する予定です。

―― うぐぐ、梨味通年化ならず……。ありがとうございました!

お菓子メーカーが出し続けるのは「夢」である

 取材を通し、お菓子メーカーは“変な味”ではなく“夢”を出し続けているのだと気付いた。

 大人になってある程度お金が自由に使えるようになった今、少ないお小遣いでわくわくしながらポテトチップスやうまい棒を買ったり、ガリガリ君を選んだりした日々を忘れていたのだ。子どもの頃のあのわくわくする感じ、お菓子を開封する前の「どんな味なんだろう?」という期待と夢を思い出した取材だった。

 (取材にご協力いただきましたメーカーさん、ありがとうございました!)

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