物忘れや、これまでできていたことができなくなるなどの症状が出る「認知症」。働き盛りの皆さんは、普段あまり気にしていないかもしれませんが、中には「若年性認知症」と呼ばれる、65歳未満で発症する認知症もあるのです。
最近物忘れが激しいという人は、セルフチェックしてみてはいかがでしょうか。
若年性認知症って?
厚生労働省によると、若年性認知症は2009年3月の時点で、全国で3.78万人と推計されています。発症年齢は平均51.3歳。18〜64歳の人口10万人当たりの患者のうち、男性は57.8人、女性は36.7人と、男性の方が多い結果でした。
認知症は、脳変性のアルツハイマー病などが原因として最も多いといわれていますが、若年性認知症の原因は「脳血管性」が39.8%と最も多く、次いで「アルツハイマー病」の25.4%となっています。
認知症と老化による物忘れの違い
30代でも起こりうるこの若年性認知症。確かに通常でも、老化による物忘れはよく起きるものです。では、認知症と老化による物忘れにはどんな違いがあるのでしょうか。
分かりやすくいえば、認知症の場合、体験の記憶がすっぽり抜けており、老化による物忘れの場合、体験の一部だけ忘れるということ。
例えば、「昨日の晩御飯、何食べたっけ……?」は老化による物忘れですが、「昨日、晩御飯食べたっけ……?」は認知症の忘れ方になります。
よって、「うっかり忘れてた!」のレベルであれば、老化による物忘れの線が強いでしょう。
認知症のセルフチェックをしてみよう
では、もっと具体的に細かく項目をチェックして、認知症リスクがあるかどうかを確かめてみましょう。
- 同じことを何度も言ったり聞いたりする
- ものがなくなることが多い
- 約束はもちろん、約束したこと自体を忘れる
- 買い物に行ったこと自体を忘れてまた買い物に行く
- 新しいことを覚えられなくなった
- 会話の内容が理解できなくなった
- 自宅近辺で道に迷う
- 何でも人のせいにするようになった
- ちょっとしたことで怒るようになった
- 失くしたものは誰かに取られたと思う
これらは認知症の早期発見の目安といわれています。心当たりがあったら、周囲に相談するか、認知症の専門医がいる医療機関を受診するのをおすすめします。
関連記事
- 一人で悩まずに、まずは相談を 投薬に頼らないうつ病治療を提供する新宿ストレスクリニック
うつ病というと「心の病気」ととらえてしまいがちですが、実は「脳の病気」といわれています。治療には、薬を用いるよりも、副作用の少ないよりよい方法があり、新宿ストレスクリニックではいち早くそれを提供しています。 - 頭の回転が速いかどうかは遺伝子で決まる?
頭の回転の速さは、生まれつき決まっているのでしょうか? - 遺伝子検査は一体何を調べられるのか?
最近手軽にあつかえる遺伝子検査キットが出回るようになり、「遺伝子」という言葉をよく目にします。この遺伝子やDNAとは一体何でしょうか? 遺伝子を調べるとは一体どういうことなのでしょうか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.