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「寝るときに靴下」はNG! 「寝像が悪い」「いびきがうるさい」人が睡眠の質を上げるには

「寝相が悪い」「いびきがうるさい」そう指摘されている人は、睡眠の質が下がっている可能性が高いです。睡眠の質を上げるには、どんな寝相がいいのでしょうか?

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 朝起きたときに、なんだか疲れが残っていて、寝たりなさを感じたりしていませんか? そんなときは、睡眠が十分満足に取れていない証拠です。でも、その原因、なかなか自分では分からないものですよね。

 1つの指標になるのが、寝相の悪さやいびき。睡眠外来の専門医によれば、これらは睡眠の質が下がっているサインだといいます。そこで今回は、東京疲労・睡眠クリニックの梶本修身院長に、寝相やいびきが睡眠の質にどのような影響をもたらすのかを教えてもらいました。

寝相が悪い人は睡眠の質が低い


東京疲労・睡眠クリニックの梶本修身院長

 梶本院長によれば、寝相が悪い人は、睡眠の質が低いといいます。どうしてなのでしょうか?

「寝相が悪いということは、体動が激しいということです。一方、睡眠の質が良いということは、深く眠れているということ。人は深い睡眠のとき、1時間に1回くらいしか身体を動かしません。寝相が悪い人は長く眠る傾向がありますが、それは睡眠の質が悪いため、時間をかけないと疲労回復ができないからです」

睡眠の質が下がる原因「いびき」

 ではなぜ睡眠の質が下がるのでしょうか? 梶本院長によれば、睡眠の質が下がる原因として多いのは「いびき」であるようです。

 「寝相が悪い場合、まずはいびきを疑ってみましょう。いびきをかく人は、大抵睡眠の質が悪いです。その場合、寝姿勢に気を付けてください。あおむけ寝は絶対に避けましょう。うつぶせ寝は苦しいので、横向き寝が理想です。約8割の方が、あおむけ寝より、横向き寝のほうがいびきをかかなくなるといわれています。ほかには、横向き寝しやすい抱き枕を活用する方法もあります」

睡眠の質を上げればいびきも寝相も改善!

 さらに梶本院長は、いびき以外にも睡眠の質を下げている要因があるといいます。

 「もし、それほどいびきをかかないのに、翌朝目覚めたときに疲れが残っているという人は、睡眠の環境が良くない可能性があります。暑すぎても寒すぎても睡眠の質を下げますので、部屋の温度をしっかりしてください。冬は18〜22度くらい、夏は25〜28くらいが理想といわれています。

 加えて、夜寝る直前に、スマホやPCなどの光、お風呂、運動、食事、お酒、たばこなども睡眠の質を下げるので注意しましょう。また、とくに女性の方で多いのが、靴下を履いて寝ることです。足を温めると睡眠の質を下げるので、必ず素足で寝ましょう」

寝ている最中に身体が動くのは病気の疑いも

 もし寝ている最中に、足や腕がぴくぴく動くなどの通常とは異なる動きがある場合、ただ寝相の問題ではなく、病気である可能性もあるそうです。

 「中高年の60歳以降に増えてくる病気で、寝ている最中に足やひじがぴくぴく動いたりする周期性四肢運動障害という病気があります。65歳以上で3人に1人がかかっているといわれているため、年齢的に該当する方は、こちらも疑ってください。また、若年者でもかかることがある、むずむず脚症候群などもあります。ただ寝相が悪いというのとは異なる動きが起きている場合は、専門医を受診しましょう」


 寝相の悪さやいびきを指摘されたことがある人は、睡眠の質が下がっている可能性が高いです。朝、起きたときに疲れが取れていなければ、何らかの原因を疑い、いびき改善のための横向き寝、質の高い睡眠を妨げる寝る前のNG行動を避けるなどして、睡眠の質を上げて疲れを取るための対策を取りましょう。

監修・取材協力:東京疲労・睡眠クリニック院長 梶本修身

大阪市立大学医学部疲労医学講座特任教授。同時に、大学の疲労研究の成果を臨床に生かすため東京疲労・睡眠クリニック(新橋)を開業。大阪大学大学院医学研究科修了。医師、医学博士。


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