「Android Wear 2.0」でスマートウォッチがスタンドアローン化すると何が起こるか“ウェアラブル”の今(2/2 ページ)

» 2016年05月22日 06時00分 公開
[松村太郎ITmedia]
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フィットネス機能は、よりスタンドアローンを前提に

 Android Wear 2.0の話の最後にフィットネス機能についても触れておこう。Google Fitによるフィットネスデータの管理はこれまで通りだが、例えばジョギングをする際に、「スマートウォッチだけで出かけられるか?」という課題に取り組んでいる。つまり、スマートウォッチ単体で使い物になるかどうかが問題だ。

 多くのスマートウォッチは、スマートフォンとペアリングすることで、ネット接続を得て利用できる仕組みを採用してきた。しかしWi-Fi通信を単独で行ったり、セルラーモデルの登場によって、スマホに頼らない使い勝手を手に入れつつある。

 Android Wear 2.0では、スマートウォッチ自身がセルラー通信をする要素を拡大させようとしている。ブリーフィングでは、VerizonもしくはAT&Tで契約しているユーザーは、スマートフォンと同じ電話番号に紐付けてAndroid Wear 2.0搭載のスマートウォッチを利用できるようになるとの説明があった。

 つまり、タブレットのように新たな電話回線を契約することなく、スマートウォッチを単体でもLTE通信をさせることができるようになるということだ。スマートウォッチだけ身に着けていけば、電話にも応答できるし、ジョギング中、スマートフォンなしでストリーミング音楽を楽しむこともできるだろう。

スマートウォッチがスマートフォンを置き換えるか?

 筆者は「Apple Watchを始めとするスマートウォッチが、将来的にスマートフォンを置き換える存在になり得る」という仮説を持っており、それがウェアラブルデバイスに興味を寄せている理由でもある。

 Android Wear搭載のスマートウォッチについては、丸くて、セルラー対応のモデルがスタンダードになっていくビジョンが示されたものの、現段階では、それがスマートフォンを置き換えるとまでは言い切れないだろう。

 あくまで、スマートフォンの回線(契約)を共用する前提であるし、今回フォーカスが当てられたとはいえ、コミュニケーションには不可欠な文字入力方法については、研究段階の域を出ない、という評価をせざるを得ない。

 ただ、対話型でインターネットやアプリを利用できるGoogle Assistantが、今回の基調講演で同じステージに上がったことは、非常に興味深い示唆を与えてくれた。

 Google Assistantを利用する専用デバイスとしてGoogleは、ディスプレイを持たないGoogle Homeを披露した。リビングルームの真ん中にある、芳香剤のようなサイズのデバイスに話しかければ、画面なしで欲しい情報を入手したり、必要な処理を行ったりできる仕組みだ。

 Google Homeは、人工知能を音声で利用する象徴的なデバイスとして重要だし、魅力的でもある。しかし、わざわざあのデバイスを置かなくても、個人が手首で同じことをすれば良いではないか、と思うのだ。画面に依存しないコンピューティングであれば、画面サイズは関係なくなる。スマートウォッチにうってつけのパラダイムシフトが起きるのではないか、との期待が持てる。

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