人見知りが「あぁ、われわれは友人ではないのだな……」と思い知らされる10の瞬間(3/3 ページ)
8. 家族構成や子供の年齢、性別を何度聞いても忘れる
大人になり、家族を持って初めて知ったこと。それは、他人は自分の家族に1ミリも興味などない、という事実。自分にとっては宝であり、命よりも大切な子供たちだが、興味があるのは当事者の親だけ。
「中山さんってさ、子供いたっけ?」
「ええ、息子と娘が。年齢は……」
って会話を、同じ人と10回以上繰り返した。始めのうちは、「何度同じことを言わせるんだ。まったく失敬な」と憤っていたのだが、しばらくして反省することになった。なぜなら、自分も他人の家族構成に1ミリも興味がなく、子供の有無、男女構成、年齢などまったく覚えていないから。下手をすると、結婚していたかどうかすら忘れてしまう。「あぁ、お互いさまだったか」と気付いたわけである。
家族構成を覚えていない時点で、「あぁ、われわれは友人ではないのだな」と憂鬱な気持ちになる。
9. Facebookで友達申請が怖くてできない
「中山のくせに、調子こいてる」と思われるのが怖い。だから、自ら友達申請はしない。
相手に、「はは〜ん、さては俺(私)に近づきたいのね? 笑止千万! 貴様ごときの分際で甘い! 承認なんかするもんか」と思われるのではないか。そんな恐怖があるので、基本的に申請はしないし、「知り合いかも?」ボタンを間違えて押さないよう、閲覧時はものすごく注意してスクロールする。
唯一、積極的に申請をするのは、仕事でつながった場合。Facebookメッセンジャーはメールよりもライトに仕事の相談や確認ができるので、コミュニケーションをとる手段として申請する。当然ながら友人ではない。
申請できるのは大学時代の友人を見つけた場合。何の躊躇(ちゅうちょ)もなく、下心を見透かされる心配もなく、安心してクリックできる。やはり、学生時代の利害関係のない友人は、幾つになっても大切だ。
友人申請ボタンをクリックするかしないかで悩んでいる時点で、「あぁ、われわれは友人ではないのだな」という事実を突きつけられている気分になり、自分が薄汚れた大人になってしまったのだなと感じてしまう。
10. 会話中、発言がかぶったときに、あわてて「どうぞ……」と譲る
会話をしていて、偶然相手と自分が同時に発言して言葉がかぶった際、弾かれるように「ど、どうぞ……」と相手の言葉を促す瞬間がある。「どうぞ」「いえ、そちらこそどうぞ」「そうですか、では……」とやってしまったら、それはもう友人ではない。「どうぞ」と遠慮した時点で、「友人ではない」認定を下してOKだ。
友人かも……淡い期待を持っていた相手に、「どうぞ」されることは、字面にすると大したことのないように見える。しかし、その破壊力はすさまじい。自分は、帰りの電車の中で「終わった……」とうなだれる。
たとえるならば、「99%いける!」と確信を持って告白したら、「友達でいましょう」とものの見事に切り替えされたくらいのショック。それくらいパワフルなリーサル・ウェポンである。
どうぞと発言権を譲った時点で、その相手は断じて真の友人ではない。
人見知りだって人を誘いたい
40台半ばになってくると、友人がいないことを別になんとも感じない。友人がいなくたって、仕事はできるし、人付き合いはできる。まあ、一種の悟りのようなものだろう。この記事を読んだ学生さんには、「私のようになりたくなければ、社会人になる前に友情を十分に育んでおけ」と声を大にして伝えたい。
さて、次回は【お誘い】編。人見知りだって、年に数回くらいは人を食事とか映画に誘いたくなる時がある。しかし、断られることに慣れていないので、なかなか声をかけることができない。そのための方法論をご紹介するので、こうご期待。
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