朝、いつまでも布団の中にいたい、起きようと思っても起きにくいということはありませんか。一年中そのような傾向がある人は、特に寒い季節に悪化することを自覚しているかもしれません。
そこでそんな朝、特に起きにくくなる原因を阪野クリニックの院長 阪野勝久先生に伺いました。
取材協力:阪野クリニック院長 阪野勝久先生
愛知県名古屋市生まれ。愛知医科大学を卒業後、マニトバ州立大学医学部St.Boniface病院睡眠障害センター(カナダ)に留学し、睡眠医学の研究を行った。現在、岐阜市で内科と睡眠障害の専門クリニックを開業している。日本内科学会総合内科専門医、循環器専門医、日本睡眠学会認定医を取得。米国内科学会フェロー(FACP)、米国胸部疾患学会フェロー(FCCP)に選出されている。
寒い季節に寝起きが悪くなるのはなぜ?
冬の朝は、特に冷え込むことから、なかなか布団の中から起き出したくないことがあります。しかし、冬に起きられないのは、ただそれだけではないように思えます。ほかにはどのような理由があるのでしょうか。
「人の目覚めには、光が大いに関係しています。光を浴びると脳の松果体からメラトニンというホルモンの分泌がストップします。メラトニンは眠りのホルモンと呼ばれ、メラトニンの分泌が抑制されれば覚醒しやすくなります。冬は明け方になってもまだ薄暗く、カーテンを開けても十分に光を浴びることができないことから、目覚めにくいと考えられます」
朝、いつまでも布団の中にいたい原因と対策
では、冬に限らず、朝いつまでも布団の中にいたいと感じるのはどうしてなのでしょうか。阪野先生に幾つか原因をあげてもらい、その対策を教えてもらいました。
低血圧である
「体質として低血圧である“本態性低血圧”の方の場合、血液のめぐりが悪いことで、なかなか起きてすぐに動きだせないことがあります。ストレッチなどをして血液のめぐりをよくすると、起きやすくなるでしょう」
カーテンを開けず暗い部屋にいる
「光を浴びると、体内時計にスイッチが入り、覚醒モードになることができます。起きたら思い切ってすぐに布団から出て、カーテンを開けて、光を取り込みましょう。さわやかに目覚められます。もし光が差し込まない部屋の場合には、明るい人工照明を設置するという方法もあります。部屋の照度が徐々に高くなるようなタイマー設定があると、理想的です」
起きると嫌なことがある
「目覚めが悪い場合、何か心理的に嫌なことが待っていることもあります。自分自身の中で、何か思い当たることがあれば、対策してみてください。うつ症状が出現すると、起床困難になることもあります。職場、プライベート、家庭内の問題が背景にある場合が少なくありません。こういった場合は、精神科への相談をおすすめします」
「寝起きが悪い」と思い込んでいる
「『自分は低血圧だから』と思い込んでしまっていることでも、起きにくくなります。低血圧だから朝が起きにくいというわけではありません」
これらの朝起きにくい原因のうち、自分が該当しそうなものはあったでしょうか。対策を実施してみて、寒い朝でもスッキリと目覚め、元気に一日をスタートできるようにしたいものですね。
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