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コラム

栗は意外と糖質が多い!? 食べ過ぎには注意

秋の味覚のうち、人気の「栗」は、糖質が多いので、食べ過ぎると秋太りまっしぐら。小さい実に詰まった、意外と多い栄養とその効果をご紹介します。

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 秋の味覚といえば、真っ先に思いつくのが、「クリ」「サンマ」「さつまいも」。秋のクリといえば、クリごはんが定番ですし、スイーツでもモンブランやマロンパフェなどがおいしい季節。そんなおいしいクリですが、思わぬ落とし穴があります。

 それと同時に、知っておきたいのが、意外と多いクリの栄養。「クリって栄養あったの?」と思った方は、ぜひチェックしてみてください。

クリ

クリは糖質が高い!? 食べ過ぎ注意

 低糖質な食材やメニューに注目が集まっている中、クリはちょっと注意したい食材の1つです。クリは糖質が多いといわれている食材だからです。

 生のクリは、1個を20gとすると、糖質量は6.5g、カロリーは33kcal。これでは糖質量が多いのか少ないのかが分かりにくいので、他の食材と比べてみます。

100g当たりの糖質量
食品名 糖質量
クリ(生) 32.7g
精白米ごはん 36.8g
49.5g
食パン 44.4g
中華麺(蒸し) 36.5g
サツマイモ 29.2g
ジャガイモ 16.3g
フライドポテト 29.3g
※江部康二著「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」(東洋経済新報社)参照

 こうして比べてみると、栗の糖質量は、精白米ごはんとそれほど差がないことが分かります。また、意外なことに、サツマイモやジャガイモよりも、クリのほうが糖質量が多いのには驚きです。クリは1個が小さいため気を抜きがちですが、何個もバクバク食べるのは避けたほうが良さそうです。

狩りをしていた時代は、秋のクリで中性脂肪を蓄えていた

 飽食の時代といわれる現代では想像がつきにくいですが、遠い昔、狩りをしていた時代には、秋のクリは大きな役割があったのだそうです。

 狩人が秋にたまたま見つけて食していたクリは、糖質が多いため、インスリンが多く分泌されやすくなります。すると、エネルギーとして使われず、余った糖分が脂肪として蓄えられることになります。現代人にとっては悲鳴を上げる事態ですが、狩りをしていた時代の人たちにとっては、嬉しいこと。食料が得られにくくなる厳しい冬を越すための備えにしていたといわれています。

 今でこそ、クリは糖質が多く「要注意」な食べ物として扱われてしまいますが、時代によっては、貴重な糖質摂取源でもあったのです。

意外と栄養価が高いクリ

 さらに栗には、糖質だけでなく、さまざまな栄養素が含まれています。かつては貴重な栄養源としても、活用されていたそうです。

 例えばその昔、中国では、飢饉のときに、隣国に食料支援を願う際、米よりクリを要望したといわれています。また、わざわざクリのとぎ汁でおかゆを作ることで、健康を考えていたという説もあります。それだけ、クリは栄養価が高いことが広く知られていたというわけです。

 実際、クリの実には、でんぷん、カリウム、ビタミンC、食物繊維といった栄養が豊富に含まれています。

 また、クリの渋皮にはポリフェノールの「タンニン」が多く、抗酸化作用が期待できます。

 糖質が多い、栄養価が高いなどの事実を知った今となっては、秋の味覚の定番である「クリ」の見方が少し変わってきます。食べ過ぎには注意しながら、栄養源としても活用してみてはいかがでしょうか。

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